オジサンのつぶやき
   【アイコクシン】

「えっ? アイコクシン?? 頭痛の薬?!」
「違うってば、それはノーシン」
渋谷で歩いていた女子高生がインタビューに答えていた。
漢字で書けば『愛国心』。
文字通りの解釈では『自国を愛する心』。
「べつに、いいんじゃな〜い」
そう、たしかに自分の住んでいる国を愛することは、悪いことではない。
昨年6月に開催された「2002FIFA日韓サッカーワールドカップ」。
4年に一度開催されるオリンピックと同様、否が応でも「愛国心」を鼓舞された。
老いも若きもみんな「がんばれニッポン!」。
ペットの犬にまで日の丸つけていた人も出る始末。
それは日本人が突然「愛国心」が旺盛になったわけではない。
ルールに則ったスポーツにおいて対戦国(敵)に対して日本を応援したまでである。
それを見た一部の戦前復古願望者どもが嬉々としてつぶやいた。
「わが国にも愛国心をもった人間が増えてきた」と。
こんな輩は少数派なのだろうと高をくくっていたら実は地方ではとんでもないことが起きていた。

福岡市内の小学校のほぼ半数の69校が2002年度から使っている6年生の通知表に、
国を愛する心情や日本人としての自覚」をABCの三段階で評価する項目を新たに
盛り込んでいることが明らかになり、福岡市教育委員会と福岡市校長会に抗議が殺到 しているという。
もっとも日本で生まれ今日まで日本で育った人は恐らく「抗議する」ことに違和感を 覚えるかもしれない。
しかしわが国には「本人の意思」に反して日本に戦前から住んでいる人たちがたくさんいる。
日本の植民地であったころ朝鮮半島から日本に強制的に連行され働かされた人たちである。
オジサンの小学校時代にはクラスに必ず何人かそのような人たちの子供がいたもんである。
彼らは日本で生まれ育ち日本語を話す日本人でありながら日本国籍を持たない。
その間の複雑な事情はさておき、国籍の異なる人間が混在している小学校で教育委員会が
国を愛する心情や日本人としての自覚」を通知表の評価項目に入れるその神経が理解できない。
いや「理解」できないのではなく、「偏狭なナショナリズム」を植えつけるという魂胆がミエミエなのが
我慢ならないのだ、オジサンには。
2年程まえに天皇陛下の息子に長女が産まれた。
名は「愛子」。
その子が成長した頃、この現状を見てなんと思うか、『愛子苦心』するのではと案じてしまう。

<2003.1.19>



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