| 【長所短所】 |
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先日地下鉄の中で「履歴書」らしきものを見ている若い女性がいた。 本人のものなのか確認すべもなかったが裏面には「長所」「短所」の 欄があり一杯文字が書かれていた。 特に覗いたわけではなくオジサンの向かいで表面を見ているため必然的に 裏面が目にはいったわけである。 その「長所」の欄には最初の1行だけではあるが次のような文が読み取ることができた。 『私の長所は努力家です。忍耐づよくどんな仕事にも・・・・・・』 残念ながら「短所」の欄までは読むことができなかった。 年恰好からして来年の就職活動中の女性と思われた。 自分自身で「長所」と「短所」を書くとはどんな意味があるのだろう。 少なくとも「長所」は自己アピールにつながる。 時には「得意技」にも通じるところがある。(もっとも履歴書には『特技』欄もあるが・・) それでは「短所」はどうだろう。 内容によっては「恥ずかしい」こととか「マイナス効果」をもたらすことにもなりかねない。 本気で書いて全てをさらけ出す人が一体どのくらいいるのだろう。 就職指導のマニュアルなんかには「長所・短所は表裏一体」ということが書いてある。 すなわち「長所」の裏返しが「短所」となる。 先ほどの女性が見ていた履歴書の「長所」から想像できる模範的な(?)「短所」は、 「(努力家だけど)仕事の進め方が慎重過ぎて一つのことに熱中しやすい」となるのだろうか。 もっともオジサン的な皮肉れた考えで「長所」をひっくり返せば、 「勘が鈍く人よりも仕事が遅く何度も何度も繰り返しながらやる」となる。 オジサンが学生の頃ある有名な企業の面接風景が紹介されたことがある。 そこの企業では面接の時、受験生(求職者)に必ず小包みたいな箱を開けさせるという。 もちろん、紐でしっかりと固く梱包されているのだ。 その箱を面接官の前で開けるよう命ぜられる。 ある学生は時間をかけて固く結ばれた紐を丁寧に解いて開けた。 同時に面接を受けたもう一人の学生は事前に用意されているハサミを使って紐を切り 数分で箱を開けたという。 そこで「問題」です。 どちらの学生が採用されたのでしょう? 色々な考え方があり様々な「解答」があるかも知れない。 面接官の設問は「箱を開けること」。 この設問の中には「箱の開け方」とか「開けるに必要な時間」とか「箱の中身」については 一切触れていない。そこがミソなのである。 おそらく21世紀の現在では、「目的達成」のためには最短の時間で行うことが求められる。 したがって30分以上かけて紐を解いた学生よりスパッとハサミで紐を切って箱を開けた 学生の方が目標達成という命題にもっとも叶っているということになる。 先ほどの「問題」の解答は「どちらも採用された」でした。 なあ〜んだ、やっぱりそうか、なんて言われそうであるが、その企業は両方の学生の「長所」を 採用したというわけである。「思い切りがよい」という長所と「粘り強い」という長所を。 そして其々の配属先は「営業部」と「経理部」であった、という牧歌的な時代の話でした。 <2003.5.25>
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