| 【ガンジーの教え】 |
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アメリカ帝国主義亡者たちにより、「殺られる前に先に殺れ」、とか 「戦争は勝った方が正義だ」などという風潮が世界に蔓延ってしまった。 まさに「弱肉強食」という暗黒の時代になりつつある。 こんな時こそ「ガンジーのアヒンサー(非暴力)の思想」が現実的なものとして 生きてくるのではないかと思う。 ガンジーが発行していた機関誌「ハリジャン」の56年前の内容から紹介する。 ************************************************************** 『人類はいつの世にも、「自己防衛」という言葉で、暴力や戦争を正当化してま した。 しかし、戦争に勝とうと思えば、ナチよりももっと残忍になる必要があります。 憎悪に対して憎しみで応えてもかえって憎悪が増し、傷口を広げるだけです。 軍隊の駐屯によってパンジャーブにまずまず平和がとり戻せたように思われると、 ある人が書いてきました。けれどもそのような平和は墓場の平和です。 より破壊的な暴力のための準備期間と言えます。暴力によってもたらされた平和 は、必然的に、原子爆弾や更に原子爆弾に対抗するすべての武器へと通じるので す。それは、アヒンサー(非暴力)と民主主義(民主主義はアヒンサーなくして はあり得ません)を完全に否定することでしかありません。 ところで、人類の偉大な師たちの生き様は、真の防衛は復讐をしないという生き かたにあることを見事に示しています。侵略者の意思に服従するよりは潔く死ん で行く、そんな男女の列が後から後へと果てしなく繰り出される思いがけない光 景を目にすれば、さすがの侵略者も、ついには心を和らげるに違いありません。 実際、この場合、武力で抵抗をするほど生命の損失は大きくないでしょう。 勇気は、殺すことにあるのではなく、死ぬことにあるのです。 やがて侵略者の方でも、相手を苦しめても意味がないことに気付くでしょう。 昨年インドのグジャラートで、婦人たちがラーティ(警棒)で殴打されても敢然 として耐えましたし、またぺシャワールでも、多くの人々が雨のように降り注ぐ 弾丸の中で暴力に訴えずに耐え忍びました。 人間を獣類と区別するのは、このように道徳的水準において獣類に勝ろうとする 絶え間ない努力であります。 さて、そのような無抵抗によって、自分の生命を失えば、自己防衛もむなしいこ とではないか。また、イエスは十字架上で生命を失い、ローマ人ピラトが勝利し たのではないかと疑問を抱く人があるかもしれません。 しかし、何と言われようと勝利したのはイエスです。 これは世界の歴史を振り返れば、十分明らかです。 キリストの無抵抗の行為によって、善の力が社会に解き放たれたのです。 たとえその途上で肉体を失ったとしても、何ほどのこともありません。 生を享受するためには、生命への執着を絶つことが肝要です。 アヒンサーの美徳を身につけるには長い実践が必要です。 おそらく数世代の年月がかかることでしょう。それでも、世界の諸々の営みの総計が破壊的だとすれば、 とっくの昔に世界は滅亡していたはずです。 愛が、言いかえればアヒンサーが、私たちの地球を支えてくれたのです。』 *************************************************************** 以下は『ガンジー・自立の思想』の訳者である片山佳代子氏の説明です。 ●アヒンサーとは 暴力に暴力で対抗しても、暴力はなくならない、かえって憎しみが深まるばか りであります。 自らが犠牲になることで、相手を改心させるのが最善の方法であ るとガンジーは訴えました。 これこそガンジーが世界に示そうとしたアヒンサー(非暴力・不殺生)の精神です。 そして、そのアヒンサーを土台にして、糸車の取り組み(拙著『ガンジー・自立 の思想』参照)がありました。 自らが犠牲になって耐え忍ぶ行為ができるようになるには、死(肉体の)をも恐 れない本当の信仰がなくてはできないことです。 『肉体が滅びることで、魂が解き放たれるのであるから、死は決して恐れること ではない。 ただし、この世に生を受け、手足を授けられた以上、命のある限り手 足を最大限に使って奉仕するのが我々の生きる道である』とガンジーは書いてい ます。 糸車の取り組みも、このような宗教観に到達することなくしては、持続的に行っ ていくことは不可能です。 ガンジーの言うアヒンサーは、キリスト教で言われる神の愛、アガペーに通じて います。 ガンジーはすべての宗教に共通する本質的なものを信仰した人でした。 『もし、西洋の人々が本当の意味でのキリスト教徒であれば、植民地支配も戦争 も不可能なはずである。 神は完全であるが、それを伝える人間が不完全なために どの宗教にも欠点はある。 その欠点を少しでも取除こうと努めるべきではあるが、 ある宗教が別の宗教よりも優れているというものではない。 キリスト教徒は良きキリスト教徒に、ヒンズー教徒は良きヒンズー教徒になろうと努力していけば良 いのである』とガンジーは言います。 戦争は本当に多くの人の人生を狂わせてしまいますが、たとえ戦争に至らなくて も、例えば軍隊で訓練を受ける事は、人を野獣に変えることであると言って、 ガンジーは戦争の準備行為にも強く反対しました。 インド・パキスタンの対立、コソボでの紛争、NATO軍による空爆などガンジ ーの想いとは正反対のことが繰り広げられている今の世の中だからこそ、ガンジ ーの想いを発掘し、伝えていくことは重要です。 <2003.6.15>
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