オジサンのつぶやき
   【縦横無尽】

初めて我が国に「スクランブル交差点」が登場した時、人々は驚きと困惑を隠せなかった
何しろ今迄決して歩くことを許されなかった「禁断ゾーン」に足を踏み入れることができたのだから。
「青信号」に変った瞬間、一斉に歩行者が車道に飛び出すものだからかなりの人間衝突が発生した。
ある航空評論家は当時こんなことを言っていた。
「スクランブル交差点を渡る歩行者を見ていれば少なくともパイロットに不向きな人はすぐ分かります」
一瞬に数十の計器類を見て判断することを要求されるパイロット。
たしかにスクランブル交差点もどきでオタオタしていれば当然コックピットには入ることは不可能であろう。
最近は教育も行き届いたせいか交差点で接触する光景はあまり見かけない。
しかし、しかしである。
21世紀になって一般歩道や人ごみにて人的接触が多くなった。
大惨事には至らないがかなり危険な兆候である。
一つには、「暗黙の歩行ルール」なるものが遵守されていないことが原因である。
「暗黙」であるから書店に「ルール集」が売ってあるわけがない。
しかし先祖代々(少々大袈裟か)、否、自分の祖父母・両親等の年長者から自然と教えられるルールである。
例えば、二人の人間がすれ違うことができない細い道を歩いている時、対面から歩行者が来た場合、 どうするのだろう。
暗黙の歩行ルール」によれば『己の歩行速度を落とし相手の状況によってその場で停止する』とある。
歩行停止すれば相手が少々太目の人の場合は体を90度回転し避けることが可能となる。
さらに「雨の日」の場合は、『傘を半開きにしてすれ違う』とも書かれている。
もしこのルールを守らなければ当然二人は衝突または激しく接触しながら通り過ぎることになる。
こんなことが「繁華街」で起こったら、しかも相手が「筋者」であったら間違いなく五体不満足になる。
二つ目には「他人と接触」することを嫌う世代が意外にも平気で他人とぶつかることに気づいていないことである。
顕著なのが最近の若者がよく身に付けている「背負いカバン」。リュックサックとかナップザックとかデイバッグの類。
この様態の若者(時にはおじさん・おばさんもいるが)が電車に乗ってきた時の周囲の迷惑度は★★★か。
いくら車内放送で「背中のお荷物は前に抱えてお乗り下さい」といっても効き目がない。
彼らは自らの「空間感覚」で「矮小な空間間隔」を闊歩しているのである。
したがってその周囲は殆ど目に入らない状態らしい。
本来は「縦横無尽」に振舞える「自由闊達」な若者も「傍若無人」では頂けない。

<2003.2.16>



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