考える人
ロダンの彫刻「考える人」。あまりに有名だから誰でも知っているでしょう。さて、「考える人」というぐらいだから、何かを考えているのだろうと思うでしょう。あごに手を当てているのだから、そう思うのも無理はないのですが、実は驚いたことに「考えている」のではなくて、「見ている」のです。それも、罪人たちが落ちていく様子を上から眺めているのです。
「考える人」はもともとロダンの「地獄の門」という大作の一部。「地獄の門」はボードレールの「悪の華」やダンテの「神曲」などの文学作品や、ミケランジェロの芸術作品を参考にして作られたもの。高さ6メートル幅3メートルの門の形をしていて、そこに罪人たちが落ちていく地獄絵図の立体版なのです。
その中で、あの人は下に広がる地獄を覗き込んでいる。一説では「神曲」の中で地獄を見て悩むダンテの姿だといわれていますが、ミケランジェロの「最後の審判」のキリスト像にも似ている、という説も。タイトルはロダン自身が付けたものではなく、鋳造化のリュディエという人がつけたものだから、解釈の違いがあったのかもしれません。まあ、何も考えてないわけではないでしょうから、いいのですが。


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