| 【感謝状】 |
|
1969年、当時の文部省より通称「69通達」と呼ばれた通達が出された。 大学紛争が高校へ飛び火し始めた頃の教育的配慮からの内容であった。 「生徒が政治活動を行うことは、学校は将来国家・社会の有為な形成者として 必要な資質を養うために行っている政治的教養の教育の目的の実現を 阻害するおそれがある」 これは国家に反するような政治活動はするな、という意味なのであるがそもそも 国家に反しない政治活動なんか「政治活動」ではない。 現状の国家の運営がおかしいから声を挙げて行動することが「政治活動」である ことからして、この通達はズバリ「文句言うな!」ということになる。 オジサンの高校の頃は「社会科学研究会」(通称:社研)というまさに政治活動を 研究し実践する組織が「クラブ活動」として認められていた。 時は70年安保改訂を前にしたベ平連運動華やかかりし頃である。 通達後全国の教育委員会により直ちに通達を反映した条例が作られ確実に 教育現場に浸透し続け、政治活動はおろか、「生徒が自己主張することさえも認めては いけない」との意識を教師に植え付けてしまった。結果的に管理教育は強まり、 内申書は教師が生徒を支配する力となってしまった。 それから30数余年。 「おかしいと思っても口にしてはいけない」 「権威にたてつくと損をする」 と、考えることも意見を言うこともできない子どもが作られてきたが、今年は 少々風向きが変わってきた。 明らかに「身勝手な正義」を振りかざすブッシュのお陰で「イラク攻撃」に疑問を持つ 高校生が続々とピース・ウオークや署名活動を始めたのである。 彼らは特別なことをしているという意識はなく、「おかしい」と思ったことに黙っていられず 「正しい」と思うことを社会に向けて主張してきたのである。 教育委員会によって永い眠りについていた日本の(一部ではあるが)子供たちを 目覚めさせてくれたブッシュに今回ばかりは「感謝状」を挙げたい。 <2003.5.4>
|