飲み屋ののれん
現在「暖簾(のれん)」と言えば、飲み屋の縄のれんが代表のようになっていますが、江戸時代ではどこの商店にも必ずのれんが下がっていました。のれんは飾り的なものだと思われていますが、その効力はあまり知られていません。
のれんは、客を店の中に誘い込む力があるのです。明るい昼間は、のれんで見えない商店の内部を覗きたくなる気分を起こさせますし、夜になると、のれんごしに見える明かりが客を誘うのです。少ししか見えないものは、全部見たくなる、いわゆる「チラリズム」の効果です。
のれんをくぐるのは、ドアや戸を開けるのよりもはるかに抵抗が少ないので、つい店を覗いてしまうというわけです。のれんはこうした客を吸い寄せる力、通過自在性、空間を分割する効果、その店のシンボルマークとしての意義等から珍重され、「のれんが古い」といえば老舗を意味し、店の信用の象徴にまでなったのです。


                戻る