おいおい
電話をかける時には、つい「もしもし」で無意識のうちに相手に声をかけてしまいます。十中八九の人が「もしもし」で相手を呼んでいると言われています。中には、「俺だ」とか「私よ」でいきなり名乗りを上げている人もいますが、受話器の向こうで不意打ちを食らった相手が「えっ、誰?」とでも聞くと、やはり「もしもし、俺だ」となってしまうものです。
さて、この「もしもし」ですが、「これから何か言いますよ」という気持ちで、「申します、申します」が一般化し、その後言いにくいので「もしもし」になった、あるいは「申す、申す」が転じたという説があります。多くの人が、電話が始まった当時から相手に呼びかける時には「もしもし」が使われていた、と思っていますが、実はそうではありません。
東京の電話交換が始まったのは1890年12月16日。それに先立って電話の交換の公開実験が催されています。その時の模様が、同じ年に発行された読売新聞に次のように出ています。
「ここにおいて需要者は、聴音器を両耳にあて、器械の中央に突出する筒先を口にあて、まず『オイオイ』と呼びて用意を問い合わせ、(交換手につないでもらって、相手が出ると)『オイオイ』の声を発して注意し、先方より承諾の挨拶あるを聴音器にて聞き取り、それより用談に入るなり」
つまり、電話が開通した当初は、「もしもし」ではなく、「オイオイ」だったわけです。ずいぶん威張った乱暴な言い方のようですが、なにしろ、当時電話を持っている人といえば、高級官吏とか実業家など、みんないわゆるお偉いさんばかりだったわけですから、当然といえば当然なわけです。
ところで、この「オイオイ」に対しての受け手の応答はなんと、「ハイ、ヨウゴザンス」でした。この「オイオイ」「ハイ、ヨウゴザンス」がいつ頃から「もしもし」に変わったかは、今のところ明らかになっていません。


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