水銀体温計
水銀体温計。今ではデジタルのものがほとんどで見たことがない人もいるのではないだろうか。ちょっと前までは学校の保健室などで根強く残っていたのだが、最近ではほとんど見られなくなっている。ところでこの懐かしい水銀体温計、使う前後にはよく振って水銀を元の位置に戻していた。なぜ自然には戻らないのだろうか。
もともとこの体温計は先端の空間に水銀が溜まっていて、そこが温められると水銀が膨張し、ガラス管を上がっていく、というもの。実は、この体温計は、気温ではなかなか動かない。体温を計った後、冷蔵庫に入れて10分経過しても、0.1度しか下がらない。水銀には表面張力がものすごく強いという特徴がある。一度膨張したら張力でそこに静止してしまうのである。また先の方でガラス管が細くなっているのは、逆流を防ぐためのもの。ますます戻らないのだ。
そのぶん、水銀体温計にはいいところもある。まずなかなか戻らないからこそ、検温が終わって、体から離してもすぐに見る必要はない。ゆっくり見ることが出来る。また、表面張力が強いから、インクのように壁面を濡らすことがない。したがって、より正確に体温を読み取れるのである。


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