| 【所有と保有と所持】 |
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イラクの「大量破壊兵器」の存在の有無に関しては米国では一部政府高官が 「いまや、そんなことは大した問題ではない」と居直り始めている。 そもそも虚偽の宣伝による違法・不法な戦争であったことは当人たちが十分 知っているわけで、しかも初期の目的(イラクの石油資源の占拠)を達成したのだから 過去をいちいち蒸し返すなとでも言いたいらしい。 全く無茶な乱暴な話ではあるが、世界の非難の目をそらすために、今度は矛先を 「北朝鮮」に向けていることは周知のとおりであり、ブッシュ’ペットといわれている 小泉純一郎を擁する我が日本でも盛んにマスコミ各紙が北朝鮮の脅威を煽っている。 ちなみにチョット前の朝刊のトップ記事には、 「北朝鮮が核兵器を持っていることを明らかにした」 というものであったが、それを報じた各紙の見出しは、 (読売)「北朝鮮「『核兵器保有』」 (朝日)「核保有、北朝鮮が言及」 (毎日)「北朝鮮『核兵器を所持』」 (産経)「北『核保有、近く実験』」 (日経)「北朝鮮、核実験を示唆」 とバラバラであった。 また、ある人の調査によると、日本テレビの朝6時のニュースでは、原稿の読みは「所有」で 字幕スーパーは「保有」だったそうである。それより後の時間帯(8:30〜10:30)の 「情報ツウ」のニュースではどちらも「保有」に統一されていたということである。 気になったのは「核兵器を持っていること」をなんと表現しているかということ。 読売、朝日、産経と日本テレビの字幕は「保有」だったが、なぜか毎日新聞は「所持」、 日本テレビの6時のニュースの原稿は「所有」。この「保有」と「所持」と「所有」の 意味の違いはなんなのだろう? 「所有」と言うと自動車、マンション、家、レコード、といったような、使っている物を連想させる。 それに比べて「保有」と言うと、持っているけど使っていないもの、いざという時に使うものというイメージがある。 具体的に何が「保有」かと言うと・・・あまり浮かばないものである。「所持」はやはり覚醒剤とか麻薬とか拳銃とか、 手に持てるもの(で、なぜかアブナイもの)のイメージがある。所持金というのもあるが、これも新聞報道などでの 表現を借りれば「容疑者■■は、逮捕された時には所持金がわずか2000円であった」などど、 やはり美しいイメージは浮かばないもんである。 さて、辞書で調べて見よう。(『日本国語大辞典』用例省略) 「所有」・・・自分の物として持っていること。所持すること。また、そのもの。 「所持」・・・(1)持っていること。携帯すること。(2)法律で、人が物を事実上支配していると認められる状態。 「保有」・・・もちつづけること。たもつこと。所有しつづけること。 だいたい辞書の悪い所は複数の言葉の意味の説明を他の言葉で置き換えて説明し、それらが 互いにたすきがけになっていること。上の例で言えば、「所有」の説明で『所持すること』となり、 「保有」の説明では「所有しつづけること」となっていて、じゃあ、どういう風に違うのかと思ってしまう。 しかしよく読めば、微妙に違いがあることが判る。今回、の「核兵器」に関しては、やはり「保有」が妥当だと思うが、 核兵器は、所有も保有も所持もしないことがベストであることは言うまでもない!! <2003.8.17>
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