| 【タブー】 |
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タブーといえば、一般的には「しちゃいけないこと、触れてはいけないもの」と言われている。 日本語では禁句とか禁忌とかいう表現もする。 でも、「しちゃいけない」と言われたら、したくなるのが人間の常。 特に思春期の頃には、そんなしちゃいけないことばっかりやった人だっているかもしれない。 オジサンの若い時はその連続だった。 高校時代は喫茶店の「メニュー」集めがはやっていた。 5〜6人で店に押し入り(決して強盗ではないが)、めいめいがメニューを貸してもらい 注文後必ず数枚のメニューがなくなっている、なんてことがあった。 大学生になると当時はやっていた「○○コンパ」とかいう店のドリンクメニューを集めたりもした。 その後も使いもしない「灰皿」から居酒屋の「箸置き」まで枚挙に暇がない。 それでは禁句といわれる「言ってはいけない」の部類にはどんなものがあるのだろう。 チョット昔、「言葉狩り」と称する流れがあり「差別用語」に抵触するものは公式的には使用不可となった。 そのため「断筆宣言」をした作家も現われた。 その影響はすさまじく、故勝新太郎のヒット作「座頭市シリーズ」が俎上に上り、昔からの比喩表現が 可能な限り「置き換え言葉」になった。 とはいえ映画の中で必ず「座頭の市っあん」の敵役たちは、立ち回りの前に必ず「このドメクラが!!!」と 言って市兄いに刃向かってバッタバッタと斬られたもんだった。 これをNHK風の「置き換え言葉」で言えば「この憎たらしい目の不自由なヤツ」となり台詞にはならない。 そのNHKで先日「今週のキーパーソン」なる番組で見事にその場面に遭遇した。 社長含め社員6名で年商6億をあげている下町のプレス工場のO社長との対談の場面であった。 O社長によれば世界で一番薄い金属板を作っているとのことで、パソコンの内蔵バッテリとか携帯電話の バッテリの器はみんなそこの工場でつくったとのこと。 一般常識では考えもつかないこと、不可能と言われることを考えて可能にするというO社長の迫力ある話の なかでそのシーンは生まれた。 O社長「私がどこの大メーカーでもやらないことをやろうとすると、お前バカかキチガイか!!! と言われましてね・・・・・」 NHK某アナ「ちょっとそれは・・・あの・・・その・・・むにゃムニャ・・」 と、しどろもどろになった。 そして無事対談を終え番組のエンディングで、 「番組の中で一部不適切な表現がありましたことをお詫びします・・」 と相成った。 ここでオジサンは思った。 NHKスタッフ関係者は事前にO社長の話しの内容を知っていたのか? おそらく対談の大筋は知っていてもしゃべる表現までは知る由もあるまい。 もし知っていたとしたら「置き換え言葉」作業が可能であっただろうか? もちろんそんなことは不可能である。 確かに無意識の内に言葉で相手を傷つけるということはある。 無知なる故とか無邪気な言葉の中にもそれらは含まれているかも知れない。 しかしO社長の人柄からするといやらしいインテリではなく生っ粋の職人である。 心底に熱い暖かいものが流れているとTV画面から感じられた。 そんな流れの中での発言を番組終了後改めてお詫びすると、人々にわざわざ気づかせることになる。 おそらくは視聴者の批判をかわすつもりでの予防策であったのであろう。 しかしわが国には要人の立場で平気で「あのような重度障害者にも人格があるのかね」と言ってはばからないヤツが 今でも平然となんらお咎めもなく生きている。そして再び都知事になろうとしている。 メディアも一時は報道するがその後はまったく音沙汰なく、問題視している人権擁護団体の存在すら報道しない。 立場の弱いものが「タブー」を犯すと「虎の尾を踏む」ことになり強者のタブー破りは問題視されない。 まさにこれを「片手落ち」と呼ばずにナント言う。 <2003.3.2>
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