虎と秘伝書
学生が試験前に使う復習本のことをアンチョコということがある。これは大正時代に学生の間に普及した教科書の全科詳解が、「安直」に予習、復習が出来るところからきた名前。同様の意味で使われる言葉に「虎の巻」というのもある。これはもともと秘伝書などの意味があったものだが、なぜ「虎」なのか。
中国の有名な7つの兵法書、武経七書(孫子、呉子、六韜、三略、司馬法、尉繚子、李衛公問対)の中の1つ、六韜(りくとう)の「韜」は、いわゆる「巻」という意味で使われている。つまり、六巻からなる兵法書。その六巻は順に、文韜、武韜、竜韜、虎韜、豹韜、犬韜。
このうち虎韜が「虎の巻」の語源になっている。なぜ虎韜が取り上げられたのかは諸説あるが、六巻のうち前半三巻は政治や攻め入る前の根回しなどについて、後半三巻は実際の戦法について書かれており、虎韜はその戦法の最初にあたるから、あるいは戦法の中で、もっとも難しい事、重要な事が書かれているから、というふうに言われている。


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