オジサンのつぶやき
   【薬価の秘密】

*オジサンンは10年以上前から「降圧剤」のお世話になっている。
*ある日、いつもの定期健診のあと担当医師が処方箋を書く時に、「後発品」を希望した。
*早速、「後発品への変更可」欄に押印された処方箋を持って、近くの薬局に入って処方箋を提示した。
*ところが、いつもの時間より長く待たされ、挙句の果ては、
*「この製品は当薬局においてありませんのが、来週なら取り寄せられます」
*といわれた。
*「それなら結構です」
*昔とことなり、薬は処方箋さえあればどこの薬局でももらえる、と思っていた。
*しかし、その後3軒の薬局を回ったが、どこにも「後発品」の在庫はなかった。
*当日は土曜日であったので、すでに店を閉めている薬局もありその日は諦めざるを得なかった。
*週が明けて職場の近くのドラッグストアの隅にある薬局に処方箋を持って尋ねた。
*結果はやはり「在庫がありません」である。
*もはや猶予できないので、いつもの「先発品」を処方してもらっていざ会計の時に金額を見ると、
*同じ製薬会社の同じ量の錠剤なのに金額が僅かだが高い。
*「何で!! 同じ薬なのに金額が違うのですか?!?!」
*と詰問調のオジサンに対して、そこの薬局の若い薬剤師は、
*「うちの店は他よりも小さいので高いのです」
*「???」
*目が点になり、口をあんぐり開けた間抜け面のオジサンがその場にいた。
*その原因は次回に・・・・・・・・・・。

以上は「8月13日のつぶやき」の後半の内容。
その時のオジサンの最大の疑問点は、「規模が小さい薬局の薬がなぜ高い?」であった。
食料品や日用品雑貨などを扱っている「量販店」の品物が、町の小さな商店よりも安い、
ということはオジサンでも理解できる話。
いわゆる、同じ商品でも大量仕入れをすれば、それだけ単価は安くなるであろうし、流通経路を
独自で持てばその費用もかなり節約できて、販売価格に反映することが可能である。
もっとも最近は「ドラッグストア」というコンビニもどきの店があちらこちらに店を出している。
そのような所で売られている薬は、いわゆる市販品であるので値段に差がでても仕方がない。
でも、病院の医師が発行した「処方箋」は専門の薬局でしか取り扱うことができない。
専門の薬局では「調剤費用」といい、単に薬だけを売っているわけではなさそうである。
すなわち、処方箋による「調剤費用」には、下記の公式で計算される。

 @薬の値段 + A調剤技術料 + B薬学管理料
 
この公式はそれぞれが点数で表され、1点=10円であり、最終的には総額に保険割合を掛ける。
当然、保険割合は一般サラリーマンでは30%であることは言うまでもない。
それでは、上記の公式の@〜Bまでを、日本薬剤師会が編集した『保険薬局業務指針』を元に
オジサンがまとめた資料とコメントを以下に示します。

処方箋の値段
             
@薬の値段 別名、薬価といい、2年に1回改訂されます。厚生労働省で1錠、1g、1ml単位などで決められています。○円×銭、といった具合に決められています。この価格に関しては、市販されている薬価収載事典に記載されており、薬局による価格の違いはありません
*やっぱり、小さい薬局でもこの値は同じ*

現在、ここの薬価の部分をジェネリック(後発品)にして費用を抑えるという動きが出ています。後発品に関しては、全ての薬にジェネリックがあるわけではありません。先発品の特許がきれた薬の一部で発売されています。
A
調



<@>
調剤基本料
調剤行為に対する加算です。極端にいえば、薬剤師が薬を受け取る時でもこの料金は発生します。(自分では調剤できないという設定と思っていただければよいでしょう)

この基本料は調剤薬局によって異なります。 *ここがミソです*

この部分は薬局の1つの病院からの処方箋の集中率(%)によって異なります。2006年の改定では2段階に点数(値段)が設定されています。

基本調剤料だけに限局した金額の違いを計算してみます。
一番安い場合と高い場合は点数でいえば、23点違います。即ち230円。

但し、日本は保険制度があるので3割負担の方では230×0.3=69、つまり69円の違いに相当します。

門前ほどこの部分が安く設定されている可能性がありますが、逆にいえば、それだけ混んでいるという状態ともいえます。
*大学病院などの周辺の薬局が「門前」と呼ばれ、たしかにいつも待ち行列ができていますね*

調剤料
内服に関しては飲み方や日数、外用剤に関しては全体用量などで計算されていきます。処方日数は同じでも飲み方の違いで異なることもあります。この部分は計算方法が決められているので薬局による違いはありません。

調剤加算料
難しい調剤に関する手間賃と言ってもいいかもしれませんが、この加算に関しては、調剤薬局は院内の薬局より優遇されています。(入院患者に同様の調剤をしても院内では加算ができません)といってもこういった部分での加算がないと調剤薬局はペイできない(収益が上がらない)といった現実もあります。

粉薬を混ぜたり、軟膏を混ぜたり、錠剤を半分に割ったり、時には飲みやすいように1回分ずつ錠剤をパックしたりすることがあります。そういった部分に関しての加算です。この部分は行う内容によって点数は決められています。
B




<@>
薬剤服用歴管理料
薬局では患者さんごとに、薬歴をつけています。これにはその方のアレルギー有無、副作用歴などの基本的事項と合わせてその方が服用している薬、調剤歴を記載しているお薬のカルテのようなものです。この部分に以前は有料だったお薬の説明書またはこれらの文書に順ずるものが含まれるようになりました。

これは文書による薬剤提供が調剤の中に含まれる当然の業務であるという観点にあります。

つまり、情報用紙を患者さん側が不要の申し出があってもお金が安くなるということはなくなりました。

服薬指導加算
以前あった特別指導加算からの名称の変更になり、1回につき22点の加算になります。薬学的見地からの服薬指導ができた場合に加算されますので、、むやみやたらに加算される部分ではないでしょう。
*毎回、錠剤を渡される度にいつも同じことを尋ねられるが、これも指導料なのでしょうね*

薬剤情報提供料
いわゆるお薬手帳に対する加算です。

1回につき15点(その他の点数との合計点数の兼ね合いもありますが3割負担の方で50円前後の負担となります)で提供ごとに、原則月4回まで加算することができます。
*いつもオジサンは真面目に手帳を持参していました。義務と思って。その度に50円取られているとは・・・*

重複投薬・相互作用防止
加算
平成6年4月1日より新設されました。服用歴に基づき、重複投与、相互作用防止目的で処方医に対して連絡を行い、処方変更が行われた場合に加算されます。当然、薬の追加といった内容では加算されません。又、処方の変更が行われなくても、処方医の指示に基づき、患者に適切な指導をした場合に加算することも認められています。

その他
麻薬指導管理加算、長期投薬情報提供料などがあります。

これらの各項目から、「技術」「情報」「管理」という「付加価値」によって薬価が構成されていることがよく分かる。
しかし、混んでいる薬局で、薬を渡すときに薬剤師が患者に向かって、他の薬待ちの患者が聞こえるような声で、

今回も血圧を下げるお薬が1か月分出ています」・・・・・・・・・・オジサンに!
足の水虫は良くなりましたか?」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・若い女性に!
お通じが良くなるようなお薬もはいっておりますよ!」・・・・・・・・・お婆さんに!
いつもの様に湿布薬が出ていますので、朝晩貼ってください」・・・お爺さんに!

等々、話している内容は明らかに患者の「個人情報」と思われる類である。
若い女性ならずとも、他人に聞かれて気分が良くなるわけがない。
こんな薬局の「情報」の「管理」不行き届きにも金を払うことに、オジサンはいつも怒っている。

<2006.9.3>



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