行改委・規制緩和小委/再版制撤廃の報告出せず!

たたかいの場−公取委(98年3月結論)


 再販制度撤廃の重要な鍵を握る行革委の規制緩和小委員会(座長 宮内義彦オリックス社長)は、12月8日、(著作物の再販制については)「維持すべき『相当の特別な理由』があるとする十分な論拠は見いだせなかった」としながら、再販制撤廃の結論を先送りする最終報告を出した。これは国民の中に、再販制見直しによって、戸別配達が困難になり、売れ筋以外の専門書、クラシックCD発行も危なくなり、地方の情報アクセスが不利になるなどの懸念があるとしているように、私達の主張や運動の成果である。
 行革委は97年12月18日で、その役割を終えるが、再販問題は所管官庁の公正取引委員会で、最終結論を検討中である。
 年内に、公取委・規制研の報告が出るか否かは定かではないが、いずれにしろ98年3月末日迄の間に、公取委をして「再販制存続」の結論をださせる運動が求められている。


再販撤廃に反対する
総決起集会に1900人!


 著作物の再販維持に関する懇談会(MIC、レコード労組協ほか業界、市民団体で構成)が主催した集会が、11月17日日比谷公会堂で開かれ、大成功を納めた。(詳しい内容は、『再販懇ニュース』を参照)著作物の再販にかかわる新聞、書籍、雑誌、音楽の全業種団体、市民・文化団体、労働組合などが心を一つにして、多くの人に呼び掛け、全政党にもあいさつをお願いした結果、文部省、文化庁の代表、各政党から党首をはじめ代表が揃って、再販制の必要を訴えたこの集会のは、計り知れないものがある。
(再販懇ニュースは、各単産、地方MICに送付済みですが、残部ありますので希望の部数をMICまでご連絡ください)
『新聞、出版、音楽が危ない! 言論・文化・芸術の豊かな発展のために 著作物の再販制撤廃に反対する総決起集会』は、午後6時由岐さおり、安田祥子姉妹のミニコンサートで幕を開けた。由岐さおりさんは、昨年から運動を展開している『再販制撤廃に反対するアピールをひろげる会』のよびかけ人でもあり、歌の合間に再販維持をアピールした。
 第2部は、壇上に再販維持懇談会構成団体の代表者が揃い、業界団体を代表して、小池会長(新聞協会)渡邊理事長(書協理事長)、高野会長(レコード協会)が決意表明。文部省からは森田健作政務次官、文化庁からは林田秀樹長官、政党からは、与謝野馨議員(自民党)、土井たか子議員(社民党)、不破哲三議員(共産党)、中野寛成議員(新進党)、羽田ツトム議員(太陽党)、鳩山邦夫議員(民主党)、堂本暁子議員(さきがけ)からそれぞれご挨拶を頂いた。また、日本ペンクラブ副会長井上ひさしさん(作家)の話の後、遠藤実さん(作曲家が)の閉会挨拶で集会の幕を閉じた。



11.26MIC争議支援総行動

−雨の中一日行動−

 有楽町駅前の朝ビラ配布時は何とか持ったものの、最初の要請先・ラジオ日本に向かう途中から降りはじめた雨は、夜の決起集会まで降り続けた。(朝ビラ:2500枚80人)
 この日メインコースは、ラジオ日本、ロイター、昼休みの偕成社、午後からは、EDメディアファクトリー、朝日新聞社、代表団要請として読売新聞(午前)、オールスタッフ(午後)、夜は、凸版支援総決起集会と盛りだくさんの行動がとりくまれた。
  ラジオ日本労組は、従前からの山崎・青津さんの55才定年裁判と経営者交代後もきちっとした方針を示さない会社側とたたかいを進めている。申しれを終えた後の報告のなかで、天野ラジオ日本労組委員長は、このまま事態が推移するなら、社長を送り込んでいる日本テレビに行動を起こさざるを得ないとの決意表明を行った。
 11月19日の首都大行動に続くMIC総行動の事前の申し入れに、ロイター社は「神谷町の本社では会えない、木場のオフィスで」と回答していたが、結局要請団を社内に入れざるを得なかった。しかし応対をしたのは、権限のない人事課長と総務課長。今井議長をはじめ各単産の代表は争議解決の要請を行い、団体署名(377団体)を提出した。


偕成臨労支援、450人が会社に抗議!

 朝からの雨もひと休み、偕成ビルの前はもとより向かいのKSビル(社長一族のテナントビル)の前も行動参加者が歩道にあふれた。渡辺出版労連副委員長、碓井MIC副議長の経過報告、あいさつの後、新たな倒産争議と闘う曉美術印刷労組の中村委員長が連帯・決意の表明、川崎書記長の争議団紹介と15年争議を早期に解決したいとの決意表明を大きな拍手で確認した。児童書出版全体がきびしい状況の中で、これ以上争議を続けることの困難さを会社に示し、(後日、すごいネ、と偕成社員に言わせた)当日の抗議行動は、当該争議団にとっても手応えを感じさせるものとなった。
 凸版印刷社前の行動を中止したため、急遽代表要請から切り替えたEDメディアファクトリー。ED労組が提出した雇用保障を中心とした和解のための解決案を、会社は拒否、解決金のみの回答を示した。こうした中でMICの支援行動、雨の中65名がメディアファクトリーへの要請行動に参加したが、会社側は電気を消し、施錠して逃亡。無責任な経営者に怒りのシュプレヒコールをあげて抗議した。
 都労委の和解交渉を決裂させた朝日新聞社を相手にした東陽社闘争は、勝利命令を出させる新たな闘いを進めている。10.28の決起集会には、199団体・820人が参加して大成功、東陽社闘争を勝利に導く決意を確認し合った。またこの集会には、朝日新聞労組本部委員長から連帯のメッセージが寄せられた。MICの総行動では、こうした事態をふまえて各単産代表が申し入れ、早期解決を要請した。


凸版支援総決起集会は、勝利和解報告集会となった!

 労働スクエア東京ホールには、雨の中270名を越える人が集まった。会場にきてはじめて「決起集会」が「勝利和解報告」になったことに驚き、凸版との闘いはこれで終わりではなく、和解を一区切りにして今後更に“職場での闘いに発展させる”ことをお互いに確認、引き続き奮闘することを誓い合って集会を締めくくった。