衆院解散で、労基法改悪案の廃案を

署名・学習会・議員要請行動などすべての行動をやりぬこう

 MIC(日本マスコミ分化情報労組会議)と純中立労組懇談会が共同で設置している労働法制対策特別委員会は,7月13日、東京で労働基準法改悪案についての緊急学習会を開催、各単産の組合員40名が参加した。
 この学習会は労働基準法改悪案が国会で継続審議となっている状況の中、選挙明けの臨時国会で修正案で一挙に可決される可能性もあるため、修正案の内容についての正確な理解と運動の体制を再構築しようという主旨で開かれたもの。
 講師には改悪阻止の闘いに常に先頭に立って奮闘している自由法曹団の坂本修弁護士が担当。坂本弁護士は長年のMIC加盟の労働組合との関係から、民報その他の過去の事例も引きながら、「ストップ・ザ・労働基準法改悪案」と題して、概略以下のように報告した。
 今回の改悪案は「労基法の一部改正案」といいながら、労基法の中身を根本から悪法にすり替えようというのが本質だ。「裁量労働を導入しないと派遣労働ばかりになって、終身雇用が制が崩壊する」という労働大臣の逆立ちした国会答弁に、この改悪案に込められた真のねらいがうかがえる。
 通常国会終盤に出てきた修正案は、役にもたたない薬を加えて猛毒と一緒に飲ませようとするものだ。裁量労働の導入には本人同意が必要と「修正」してきているが、周りがすべて裁量労働になっていて、自分だけ嫌だといえるか。
 家族的責任のある女性の時間外は上限150時間をうたうというが、罰則付きでなければ守ろうとする経営者はいないだろう。
 坂本弁護士は以下のように改悪案のねらいとその修正案なるものの中身を明快に説明。あらためて廃案に持ち込む運動の強化を訴えた。また、前日の参院選の結果にふれて、衆院解散に追い込めば法案や盗聴法など幾多の悪報を一挙に廃案にできると状況を解説。
 さらに、この法案に反対する運動は、連合から全労連まで、労働戦線が一致してたたかえるものであり、労働運動が巨大な力を取り戻すキッカケとなる可能性がある。MICにこそ、その結節点になってほしいと激励した。

臨時国会の審議は
短期間が勝負です
行動日程決まる
●8月4日(火)
  12:15〜衆議院面会所
 13:00〜議員要請行動
●9月2日(水)
  12:15〜議員面会所集会
 13:00〜議員要請行動
 18:30〜総決起集会
       日比谷野外音楽堂
 19:40〜国会請願デモ



働き方と体・健康」をテーマに

 均等法施行以降、マスコミに働く女性の数が少しずつふえ、職域も拡大されつつあります。しかしその一方で、長時間・過密・変則労働は女性たちもまきこみ、ますますひどくなってきています。人間らしい生活が困難になってきているだけでなく、体や健康への不安も広がってきています。さらに、いま国会で審議中の労働法制の改悪が通ってしまったら、すでに先取り状況にあるマスコミの職場でもいっそうひどくなることは必至です。
 そんな不安の中で、5月28日、MIC女性連絡会は、マスコミに働く女性が直面し
ている課題である、「長時間・過密・変則労働と体・健康」をテーマに学習会を開きました。講師は、過労死問題にも積極的にとりくんでおられる立川相互病院の須田民男先生。先生が当日用意してくださったレジュメは、B4でなんと51頁にも及ぶ膨大なもの。さし絵入りで最初は、先生の著書のコピーかと思ったが、この日のために用意してくださったと聞いて本当にびっくりし、感激しました。後でじっくり読もうとみんな大事に持ち帰ったのが印象的でした。
お話はいきなり「タイコ腹」、つまり肥満のことから始まりました。いまでは嫌われ者の脂肪組織だけれど、人類が何千年・何万年もの飢餓とのたたかいの過程でエネルギーを備えるために得た優れた遺伝子なのだそうです。いま、人類が存在し得たのも、この脂肪組織のおかげなのかもしれないと思うと、もう少し優しくしてあげようかなとも思いますが、
現代では、生活習慣病といわれる病気のほとんどの共犯者が肥満だと聞けばやはり甘い顔をしていられません。やっぱりダイエットをしなければ、と思いました。ところでこの脂肪組織はストレスによって蓄積しやすくなるのだそうです。副腎皮質ホルモンが増加するためだそうです。やはり「ストレス太り」は本当だったのです。逆に、十分な睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、脂肪組織を燃焼し易くするのだそうです。
長時間労働、過重労働、過労ストレス、短時間睡眠、スケジュール障害(夜間に働くことによって、本来夜間の睡眠で休養することによって疲労した心身が回復することが妨げられ、体調が悪くなり、夜勤が終わって寝ようとしても興奮して寝つけず、頭がすっきりしない等の症状のため睡眠薬などの薬物を必要とする状態)は、高血圧、糖尿病などの原因にもなり症状を悪化させるものです。最近では、過労自殺も増えているそうです。
最後に先生は、労働組合が身体のこと、健康の問題にも、もっと積極的にとりくむことの必要を強調されました。講演の後の質問も多く(職場の実態を背景にした具体的なものが多かった)、講演の内容とともに充実した学習会となりました。

(女性連絡会 上野 節子)

心も体もリラクゼーションできた

女性連絡会「みんなの広場」

 MIC女性連絡会が毎年行っている「みんなの広場」の、今年のテーマは、“心と体のリラクゼーション"。仕事に、組合活動に、家事に育児に、日頃から忙しすぎるMICの
女性たち。たまにはグチをこぼしたり、思いっきり笑ったり、食べたりしゃべったり、自然に親しんだりするひとときが、心と健康のためにも、明日からの活動の活力を生み出すためにも、必要と、幹事会でもすんなり決まった企画だった。
 参議院選挙の投票日の前日、7月11日(土)、西武線の「武蔵横手」の駅から5分の安藤さん宅(映演総連・女性連絡会幹事)に集まったのは男性を含めて約30名。10時から飯能焼きの陶芸教室に参加した人もいる。安藤さん宅に居候をしているイタリアからの留学生のマルコ君も参加して国際色もちょっぴり。
 12時からはお待ちかねのバーベキュー。早出スタッフが用意した野菜、肉などの材料が大かごにたっぷり盛られ、熱した分厚い鉄板の上でダイナミックに焼いていくのだ。お箸やお皿が行き交い、おしゃべりが弾み、みんな生き生き、いい顔をしている。労働と会議に疲れ切った夜、酒場で飲んだり食べたりするのとは全然違う。
 お腹もおさまり、のども潤った頃から、参加者の自己紹介と、各単産の状況を報告。質問や提案、女性連絡会への注文なども出して貰った。経営状況のきびしさや長時間労働の実態などは、聞くたびにいっそうひどくなるような気がする。継続審議となった労働法制の改悪を許さない取り組みをやっていこうとの意思統一もできた。途中から陶芸教室に参加したメンバーも加わって、初体験の感想などを報告して貰う。
 交流会の後は、思い思いの時を過ごして貰うフリータイム。昼寝をする人(民放の人が多かった)、何か熱心に話し込んでいる人、すぐ前の川で川遊びをする人などいろいろだ。
マルコ君の案内で草深い神社(マルコ君は「トトロのいる神社」だという)に行った人、散歩をする人もいた。
 仕上げは冷たく冷えたスイカをあっという間に平らげて、4時半頃解散。雨にも降られず、時にはこんな催しもいいものと、自画自賛しながら帰路についた。

(女性連絡会 上野 節子)


いのち・くらしから「国益」を問う シンポジウム

民意を実現する全国大交流会を開催

 従前から安保・沖縄問題や盗聴法などの問題で共同の取り組みをすすめてきたJCJ(日本ジャーナリスト会議)、自由法曹団とMICの三者共催で、5月30日(土)、立教大で標題のシンポジウムが開催された。この日は、全国各地で基地、原発、産廃などの問題でたたかっている代表の方をお呼びして、その経験交流を行った。
 コーディネーターを、石川真澄さん(新潟国際情報大学教授)、今井一さん(ジャーナリスト、国民・住民投票を生かす会事務局長)、仲築間卓蔵さん(元日本テレビ・プロデューサー)の三人の方にお願いして、仲築間さんが進行を担当した。
 名護・ヘリ基地反対の運動で住民投票を成功させた、宮城康博さんが発言の口火を切った。自衛隊員や政府職員が公然と戸別訪問を行い、数多くの不在者投票がありながらも、大差を付けての反対派の勝利の意義と苦労を語った。続いては、巻原発で住民投票を実施した「青い海と緑の会」の坂井雅之さん、御嵩町小和沢産廃反対町民の会の長谷川直美さんがそれぞれ小さな町での住民が立ち上がり、勝利した運動の報告をしてくれた。特に、それまで町の政治には無関心だった普通のお母さんたちが集まって、産廃処理場の心配から「考える会」、「町長を支持する会」、「住民投票を成功させる会」へと発展させて、暴力反対、民主主義を守ったたたかいの発言は、参加者に感動を与えた。
 大橋光雄さん(廃棄物処分場問題全国ネットワーク)は、いま全国で800〜1000件の紛争が起こっているが、新しい法律では住民の意思が十分反映しない、住民合意を求める運動の重要性を訴えた。さらに埼玉の舟券問題で運動をしている神田弁護士、新横田基地訴訟で大勢の原告団をまとめてたたかう代表の小板橋さん、100万都市神戸の空港問題で、大がかりな住民投票運動を提起してがんばっている荒木有希さんなど多彩な運動の報告がなされた。これらの発言受けて、石川、今井両コーディネーターが感想を述べ、休憩に入った。
 休憩後、前半の新しいたたかいいとは違う観点から、自由法曹団団長の豊田誠弁護士から、スモン・水俣の経験と教訓―訳の分からない国益を変えるのは世論のみ、という話。川田龍平さんは、HIV訴訟で企業と厚生省を謝らせたが、社会の根本を変える必要があると人権アクティビストの会を結成した経緯―どんな少数者も差別されない社会、一人ひとりの命が守られる社会・経済構造をどうつくるか、そのためにも今日の会は有効、と語った。今井一さんは、権力側は住民投票・国民投票には法的根拠に問題ありとしているが、
憲法改正が国民投票によって決められるように、国民投票は主権者の権利、安保の是非を国民投票にできるように、と訴えた。また、石川さんは運動の継続、広がりには報道の役割が大事、「国益」追従の報道が多く、それらが世論操作しているので、しっかり見ることと注意を喚起した。岩崎副議長(民放)など会場からの発言も多く、予定時間をオーバーして午後半日のシンポジウムはやっと終わりを告げた。(参加者150人)