MIC第39回定期総会は、9月30日(土)南大塚・ラパスホールで開催された。各単産の代表、地方MICの代表など72人が参加した。総会は徳山副議長の開会挨拶の後、議長団に渡辺さん(民放労連)、安藤さん(新聞労連)を選出して議事に入った。今井議長の挨拶、来賓として宮崎絢子さん(日本ジャーナリスト会議代表委員)、熊谷金道さん(労働法制中央連絡会事務局長)からそれぞれご挨拶(別掲)をいただいた。2000年度の活動報告と来年度の基本方針を鋤柄事務局長が提案、決算・予算の提案を白石事務局次長が行った後、田島幸雄会計監査より監査報告がなされ、午前の議事を終了、昼食・休憩に入った。再開後、討論に入り20人の方から発言があった。討論終了後は鋤柄事務局長のまとめと活動報告と決算予算の承認、総会宣言・特別決議の採択がなされた。その後役員選考委員会の報告を碓井副議長が行い、今井議長、鋤柄事務局長の留任と副議長、事務局次長に各単産より代表を選出して欲しい、また、MIC女性連絡会からも早い時機に幹事の選出を、との要望がだされた。民放労連の前委員長柴田副議長の挨拶、新副議長に就任された畑衆新聞労連委員長の閉会挨拶で定期総会を終了した。
(連帯のメッセージを自由法曹団からいただいた)
 なお、恒例の地方MIC代表者会議が総会前日の29日午後、出版労連の会議室で行われた。7人の参加で、各地方MICの現状、課題、MICへの要望などについて話された。

 
開会挨拶

MIC議長 今 井 一 雄

 先日開催された労働法制中央連絡会の総会に寄せられたメッセージの中の一つに、「問題の重要性をマスコミが認識するように働きかけることが重要だ」(塩田都立大学名誉教授)があった。これはどういうことか。労働法制の一連の改悪をマスコミに働く人が認識をしていないということではなく、その認識が実際の報道内容に反映されていないのではないか。
 労働組合の場では、要求や課題や闘い方が語られ、その成果を自らの労働現場に生かすことが重要だとされるが、現実はそうなっていない、私たちの考えが私たちの仕事に反映していない、ということではないか。その原因は、仕事上のシステムの問題、上下の力関係、それとこれとは別、などいろいろいわれるが、もっと立ち入って言えば、このことの意味合いは企業内組合が企業に従属し、自立していないからではないか。経営側が経営の困難をいい、組合はむしろそれを先取りして経営をおもんぱかるという状況があるのではないか。労使が対等ではない、ストライキが打てない所以だ。そして組合が無力になっていくことに比例して、組合の企業への従属の度合いが深まっていくように思える。国民のなかにはマスコミへの期待がある一方、その信頼度は地に落ちているといえる。これを回復するには個人では到底無理で、労働組合の役割がそのためにも重要であると思う。
 まもなく21世紀の幕が開く。働くものが主人公となる社会の実現のために、私たちは創意工夫と試行錯誤を重ねながら努力をしたい、また本日の活発な議論をお願いして、あいさつとしたい。



 
来賓挨拶

宮崎絢子さん (JCJ代表委員)

 マスコミの職場は大変忙しくさせられています。その中でのMICの重要性が増していると思います。IT革命,IT革命と言う言葉が毎日毎日言われています。しかし、マスコミ労働者の中でさえ理解できない、まして主婦等家庭人は、何の事か分からないのではないかと思います。この意味するものは、あらゆる企業活動の中心に「情報」が座り、それによって情報の格差ができ、さらにそれが貧富の差の拡大になっていくということになります。従って情報産業に働く皆さんがどのような活動をするのかが大変重要になっています。
 一人一人の労働者としての「自覚」とジャーナリスト・職能人としての「自覚」が重要になってきています。労働組合としても、いままでのような要求の出し方を考え直し、そして労働組合が変らなければと思います。先端産業に働く皆さんが変っていくことは大事なことですが、だんだん頭も固くなり、体も動かさなくなってしまっています。でも休みも取りながら頭を柔らかく、身体を柔らかく、心を柔らかくして活動していくことが望まれます。
 メディアが子供に与える影響をはじめとして、メディアに携わっている皆さんとMICは大変重要な役割を持っています。是非がんばっていただきたいと思います。JCJも微力ながら、一人一人の力をつけるために講習会やシンポジウムなどを開催していきます。今日の総会が盛会になることを願ってごあいさつにいたします。
 
 

 熊谷金道さん(労働法制中央連絡会事務局長)

 労働法制中央連絡会では、労働者が人間らしい生活が出来る環境作りを進めてきたが、近年の労働諸法制の改悪により女子保護や深夜労働に歯止めをかけることも出来ない状況になっている。国会の論議はあったが結果的には、産業再生法(企業分割法)などの制定により、政府が進めるリストラ推進の方向がより一層強められるという状況になっている。
 一方、司法の場に眼を向けても、これまで労働者の解雇に一定の規制をしていた整理解雇の4要件の判例を裁判所自らが覆す反動的な状況もある。労働者保護をめぐる日本の状況は、国外と比較したときにその異常さがより一層明確になる。
 フランスの労働時間の短縮による雇用の確保、ドイツにおける解雇規制法の復活などである。しかし日本において過密労働やサービス残業が蔓延している状況は、それをある意味で認めてきた労働組合の側にも問題あるのではないだろうか。社会の中での働くルールを作る実態に根差したものにしていくためには、組合のあり方も問われている。解雇規制法、労働者保護法の制定も含めじっくりと腰を据えて、長いスパンで労働者の働く環境作りが実現できるようMICともより一層の共闘を進めていきたい。




 
大会発言

田島幸男さん (電算労)

 パソコンについて一言述べると、今多くの個人がパソコンを持っているが、2年後にはパソコンはなくなり、携帯端末で使いこなせる時代になると思う。議案書記述の組織拡大について発言したい。ひとつの企業に多様な雇用形態の労働者が増えている。電算労は派遣労働者の組織化を決断した。苦しいことをやらなければ現状を打破できないし、自分たちで仕事を創って組織を拡大していく方針を打ち出した。派遣スタッフに登録者を増やす、派遣先を増やす、MICの皆さんにも協力をお願いしたい。お知り合いのかたに派遣スタッフに登録するよう勧めて下さい。そして会社にも派遣スタッフを使うよう働きかけて下さい。仕事をつくり、組織を拡大する、このことを進めていきたいと思う。
 
 

澤谷衛彰さん(全印総連)

 われわれ印刷関連の職場にもバブル経済崩壊以降の危機的な経済状況の中、大企業の略奪的な営業活動により、中小企業の市場が荒らされたことなどを背景に、労働者の危機意識・帰属意識が問題となっている。これをどうすれば払拭できるのか。第1には、先ほどの電算労の発言にあったように、職場の非正規雇用労働者の組織化である。これは非常に困難だが規約上も運動上も実践上も急務であると思う。一昨年ある組合が、大議論の末規約を変えて50名のパート労働者を組合員にした。会社へ様々の要求をしていくつかの問題を解決した。ところが会社側がこのパート労働者を解雇するという問題が発生し、その時に同じ組合員である正社員の側から「会社の経営が守れないから(パートの人は)辞めてもらいたい」との意見が出た。大議論の末最終的には、会社の提案を飲んで非正規雇用労働者が辞めることになってしまった。方針上も実践上も非正規雇用者の組織化をしたけれども。実際にはその人たちの働く権利を守れなかったという苦い一例となった。逆の例では、あるファッション関係の業界専門紙で嘱託の記者を中心としながら、アルバイトと、パートも一緒になって非正規雇用労働者の分会をつくって、正社員化の要求を会社に出した。会社は見せ掛けのペーパーテストを行うなどして、実際には採用しないようにしたが、これに対して正社員の組合も一緒になって抗議し、団交を行って「希望者は全員正社員にしろ」という要求を出しているところだ。労働組合にとって増大する非正規雇用労働者の要求や権利をどう守って、戦線に加えていくかが、21世紀を見据えたときに非常に大事な課題である。こういった会議でもそれぞれの産業情勢や動向を報告するだけでなく、もっと本音のところで意見をたたかわせる必要がある。第2の問題は、他の中立の組合や中小企業の経営者も含めた共同の闘いを思いきって進めていくということだ。これにより企業主義なり、企業追随を払拭していくことになるのではないかと思う。
 
 

河内 正行さん(映演共闘)

 現在日本の映画産業自体が危機的状況にきている。外資のシネマ・コンプレックスの進出が原因の一つにあげられる。
 洋画と邦画の割合は7対3といわれているが、実態としては8対2ぐらいにきているのでは、というのがまわりの雰囲気だ。
 そういう中で大手メジャーの東映、松竹、日活、大映というところはいずれも経営危機が進行している。松竹の大船撮影所は、8ヶ月の闘いで雇用と職場を守るため新木場の撮影所をつくるということで労使協議を行い解決を見た。それは圧倒的な国民世論を背景にした運動があったお陰で、この争議に皆様からご協力をいただいたことにお礼を申し上げたい。
 これから映画産業は、経営も含めて非常に厳しい闘いをしていかなければならないと思っている。大型争議だけでなく小さい争議も増えている。映画に対して公的助成を求める「日本映画振興基金」のパンフレットを作って、国会議員の映画議員連盟に提出したが、さまざまな反響があった。日本には映画に対する公的助成はないが、イギリス、フランス、お隣の韓国にも自国の映画文化を守るべく公的助成をしている。私たちは公的助成をするよう運動を進めていく中で、産業の危機と日本映画の再生を目指す闘いにこれから大いに取り組んでいきたいと思っている。MICの皆さんのご協力をよろしくお願いしたい。
 
 

川村修さん(広告労協)

 6月30日に東京地裁で勝利的和解を勝ち取ることが出来た。6年4ヶ月にわたる長い闘争で、朝日新聞社に一定の責任を取らせることができ、ご支援を本当に感謝している。詳しい闘争の経過はパンフをご覧いただきたいが、75年に経営安定化を含め生活権利を守ろうと立ち上がったのがそもそもの運動の始まりである。その内朝日新聞社は、闘う組合を黙らせたいと94年に東陽社を解散・全員解雇してきたのである。
 先程からの発言のように、いま各業界・業種とも中小・下請けがひどい目に会う現実が横行している。(我々が行ったような)政策提言闘争や下請けの組織化がぜひとも必要である。親会社の勝手で中小・下請けがつぶされないようにしていかなければならない。東陽社はなくなるが一部は個人加盟組合員として全国一般や広告労協の中で、活動を続けていく決意を固めている。
 
 

角田徹さん(出版労連)

 単産の状況を報告する。7月に行われた定期大会では、中長期的な取り組みとして、組織に関しては(1)全印総連との組織統一(2)個人加盟問題(3)規模に関係なく企業別組合の転換(限界)について議論した。賃金に関しては、正規・非正規の雇用に関係なく仕事で賃金を考えるについて議論があった。また、従来は出産・育児・教育などの責任を企業に対して求めてきたが、本来はこれらを国に対して求めるべきという内容の提案もなされた。このことは今後MIC内でも議論してほしい。
出版の今期の取り組みとしては、(1)再販制維持(2)教科書問題(3)争議支援の3点が確認された。最後にMICへの要望だが、現在の情報社会の中では情報の格差が、即貧富の差につながるので、MIC内がそのようなことにならないよう各単産とMIC本体との意見交換が活発に行える仕組みを考えていただきたい。
 
 

吉田典裕さん(出版労連)

 教科諸問題は危険な事態になっている。「新しい教科書を作る会」の教科書が4月に検定申請されたが、大変な内容だ。一言で言えば、「歴史修正主義」あるいは「日本賛美史観」だ。それでも検定には合格するだろう。「歴史」では「韓国併合」が必要だったとしたり、「大東亜戦争」のお陰でアジア諸国が独立できたなどとの記述がしている。教育勅語を全文掲載して解説までつけている。
 「公民」でも、核兵器廃絶非難や憲法9条見直し論などがある。民主主義に対するサンチマンすら感じられる。
 検定のあとは採択だが、「つくる会」はなりふり構わぬ策動を強めており、地方議会に攻勢をかけている。これはまさに「下からのネオナショナリズム」というべき事態だ。教科書をダシにした改憲世論作りだ。こうした教科書攻撃に対し海外、特にアジア諸国のメディアが批判的活動を強めている。10月に韓国で集会とシンポジウムが開かれる。一方残念ながら国内では報道が不十分といわざるを得ない。基本的にはマスコミの経営側の問題だとは思う。背景に政治的圧力があり、また官房長官が関わっているともいわれている。しかし、マスコミに働くものとしてネオファシズムの台頭を許さないためにも、MIC全体でこの問題を取り組んでいただきたい。
 
 

磯崎弘幸さん(民放顧問)

 中央労働委員の選任をめぐる状況について報告する。労働委員会の民主化は運営と任命の2つがある。中央労働委員の第26期の任命は10月の初旬にあり、それ以前に内定の通知があるはずだが現在までない。先日労働省は「知らされていないのでコメントできない」との対応だった。13名が定数だが、連合は14名を推薦している。全労連、純中立,MICの統一候補として2年間奮闘してきた。そしてこの春3月7日には、春闘共闘の大きなイベントとして、22単産で実行委員会も設置するなど請願の新たな形態で取り組み、7000人が参加して労働省を包囲、公正任命を求める請願行動を展開した。国会議員要請も行った。私の推薦も5団体増え、団体・個人署名も短期間ながら多くの協力を得た。国会ではこの署名取り扱いで議論されている。地方労働委員の任命をめぐっても、千葉では「特定候補を何回も排除すれば違法」との判決が出された。労働省は全労連を106万人の組織とし、閣議決定によりILO総会にも代表として参加が要請された。こうした状況は、私を任命してしかるべきであることを示している。
 27期に向けての新たな取り組みとしては、労働委員会の民主化だけでは狭い。行政にはすべての単産が関わることであり、各省庁の審議会委員の公正任命などの民主化闘争にも視点を広げることが必要である。
 
 

佐藤直樹さん(映演共闘)

 大映社長の徳間康快氏が9月20日に急に亡くなった。グループには、徳間書店、徳間ジャパン・コミュニケーションズ、大映、徳間プレスセンターがあり、これらが徳間事業団の中核企業である。これまでは徳間社長の影響力で、住友銀行に支援を受け、グループ企業とそこの労働者の生活が守られてきた。その徳間社長の急逝によって、グループの経営や先行きに不安が出てきている。住友銀行は徳間グループに代表権を持った送り込んできている。今後と熊事業団の動向が各グループ企業にも影響が出てくる。大映にも何らかの動きが出てくることが予想され、皆さんにも支援をいただかなければならない場合も考えられる。その際は連帯と団結を基礎に是非ご支援をお願いしたい。
 
 

緒方承武さん(映演共闘)

 労災認定のとりくみで気付くのは、短期間に過労死認定を勝ち取っていることである。これは3年前に認定基準が緩和されたことにもよるが、一方では、労働基準署の認定を不服とする過労死裁判では、労基署を指導する国(労働省)は、永井製本の金井さん事件に象徴されるように、地裁の敗訴には控訴、さらに最高裁にまで上告するなど裁判の引き延ばしを図っている。個別事件での勝利では、それぞれの支援組織が大きな力となっているが、今後はそれら支援組織が団結して、労働行政に対する総体の取り組みも必要になるであろう。また、フリーで働く芸能労働者の労災認定は、「労働基準法9条による労働者(出勤簿、労働者名簿、賃金台帳に記載されない)」ではないという労基法の存在が逆に壁になって、事実上労災制度から排除されている。現在東京地裁で進められているフリーのカメラマンである瀬川労災裁判は、そうした意味でもフリーのスタッフ・俳優などの今後の労災認定にも大きな節目となるであろう。傍聴支援を含め今後とも労災認定のためのとりくみを進めていきたい。
 
 
 

宇田川 智大さん(新聞労連)

 ロイタージャパンの争議解決にあたって、これまでご支援いただいたことにお礼を申し上げる。争議は組合役員への不当労働行為と会社の身勝手な都合で一年契約にさせられて解雇された豊田典子さんの闘いでした。豊田さんの争議は結果として、職場復帰も完全な名誉回復も出来なかったが、MICの議長や他の方々のご支援ご協力もあり解決できたと思っている。朝日新聞の「暮らしとレジャー」の編集部が丸ごと別会社となるなど、新聞業界では印刷部門の別会社化をはじめ賃金制度の見直しの動きが広ろがっている。新聞労連としてもさまざまな攻撃を「水面下の争議」「準争議」の段階でキャッチして、本当の争議にならないよう、雇用・権利を守る闘いとして構築していきたいし、MICとも連帯した運動が必要だと思う。
 
 

山口仁さん(長崎MIC・民放)

 「第9回雲仙集会」と「なくせニュークス2000長崎フォーラム」は、長崎マス共の活動の大きな2本柱であるが、今年も6月と8月にそれぞれ無事に終了した。「雲仙集会」は、元々雲仙の噴火災害で43人のマスコミ並びに市民の方の犠牲者を出したあの大惨事を忘れずに記憶にとどめていくためと、加えて取材現場においてマスコミ側と市民の方との間で感情的な部分も含めたいろいろな摩擦が有ったことなどから、平成4年に「市民とマスコミの対話集会」という形ではじめたものである。現地の復興も非常に進み、われわれのこの集会の役割も終わったのではないかと判断をして、来年の第10回で、ひとつの区切りをつけることに決めた。10回目はこれまでにない大規模な形での実施を考えているが、案がまとまり次第、本部を通じてみなさんにお知らせする予定。その際は参加を含めてご協力をよろしくお願いしたい。
 
 

利元克巳さん(広島MIC・民放)

 昨年のMIC総会の時は、広島MICは解体状態で再開果たしたいと報告をしたが、1月に2年ぶりの定期総会を行った。どういう活動をするか、と夏の広島フォーラム開催の2点をポイントとして、幹事会を毎月一回行ってきた。再開して思うことは、外に向かって一緒にがんばろうというよりも、中でどうしたらよいか悶々とした状況が続いているのが現状だ。
 3点ほどお願いしたい。1つは、「なくせニュークス」で私自身核兵器をなくす運動の総括をしたいという思いがあった。核兵器と核の平和利用は日本の場合は別々だが、世界から見れば一体のものだ。日本はプルトニウムの保有量が世界3位で、核兵器の大国であるが、政府は何も言わないという矛盾がある。2つ目は情報労組であるから、他の単産、単組がどういう動きをしているか、ホームページなどを利用してMICで情報共有が出来るように努力して欲しい。3つめは労働法制について、今の若い人は会社のいうままになっている。労働法に関するノウハウが何もない状況で、情報共有は先ほどの項目も含めてMICとしてご検討いただきたい。
 
 

金丸研治さん(関西MIC・映演)

 今春闘ではリストラ・合理化攻撃に焦点を当て、単独で決起集会を開催。反核・平和運動では、新ガイドライン反対を中心に取り組んだ。独自の取り組みとしてピースキャンプを実施したが、課題だった若者の参加はあまり進んでいない。総選挙では、特定政党への中傷ビラに対する抗議文を提出。女性活動は、身の丈から始めて立て直そうと、女性連絡会は6月から毎月1回会議を持つようになった。争議では、7月に萬年社闘争支援共闘会議を解散したが、背景にある資本の経営責任追及がどこまで行われたか、考えていかなければならない。新光美術争議は大阪地裁で全面勝利判決を勝ち取ったが、控訴された。倉敷チボリの楽団員不当解雇問題では、間もなく支援共闘会議が発足する。11月に争議支援総行動を行うが、これまでの行事や取り組みを継続しながら、職場の問題を深化させることが重要だと思っている。
 
 

今田郁夫さん(民放労連)

 個人情報保護法・青少年有害環境対策法などメディアに対する司法・行政の介入とも取れる動きが続く中で、今度は日弁連が新たな人権機関設置の提案をする動きがある。10月5日からの人権擁護大会で法定による独立行政機関である「人権機関」設置を求める提案をしようとしている。この宣言(案)によると従来からある法務省人権擁護委員制度は、加害者が国や自治体の場合はほとんど役に立っていないとした上で、さらにマスコミによるプライバシーや名誉侵害も跡を絶たないとの認識の下で、報道機関の人権侵害も対象とし、国や自治体の人権侵害と同列に論じている。また、この人権機関は刑罰に裏付けされた強制調査権や、調査継続中においても侵害の除去や予防を求める仮救済決定を下す権限を保持させる。更には決定に応諾しない氏名や事実を公表する権限を持たせるとしている。これらは報道・取材の自由を侵害することにつながり、たとえ独立機関であっても許されるべきものではない。仮救済制度に関しては、行政機関による表現の差し止めを意味し、憲法に規定された検閲禁止原則に反することになる。メディアの人権侵害は自主・自律の機関で救済されるべきで、このような公権力がメディアに介入することは許されない。また、冒頭に述べた人権や青少年保護を名目とした表現・報道への規制強化の風潮を助長促進する懸念もある。MICでもこうしたメディアに対する権力の支配・介入を許さない取り組みが必要だ。
 (以下争議団の発言は、次号争議団特集へ)
 
 




 
閉会の挨拶


畑 衆さん
MIC副議長(新聞労連)

 9月19日に新聞労連委員長に就任した畑衆(はた・しゅう)と申します。出身は朝日新聞の整理部におりまして、只今企業間競争ということが出されたが、私自身ため息が出るほど仕事がハードで、日々仕事に追われて、自分の将来も日本の行く末や会社の行く末も考えずに毎日紙面整理に追われておりました。しかしここにきて、今度は労働者、労働組合のあり方などいろいろな課題が降ってきて、そのことを整理をするのに精一杯というところです。閉会の挨拶ということだが、先ほどの総会宣言に「時代は今、大きく舵を切ろうとしている」とあったが、まったく同感だ。私自身が100年を越える新聞の現場にいて、まさに「激動の時代」を実感している。この激動がもろに労働現場に入り込み、一人一人の労働者に労働強化として背負わされている時はない。そして今ほど労働組合の存在価値が問われているいるときはないのに、組合に対する関心はむしろ薄まっている。このまま行けば大変なことになる、と言うことをお互いに確認したい。また、企業内組合の経営に対する対抗力の問題も出されたが、新聞労連のなかでも別会社化が進み、組合員でない労働者が社内にどんどん増えている現状がある。この人たちをどう組合に結集させるか、どういう形で労働組合に目をむけてもらうのか、これからの大きな課題になっていると言える。
 MICへの期待も高まっているし、マスメディアには働く私たちがどのように横に連携をしてこの期待に応え、役割を果たすのか、21世紀までに100日をきった状況の中で、改めて今日から新たな第1歩を踏み出していきたい。