民主主義の安楽死を憤る

MIC議長 (出版労連委員長)
今 井 一 雄

 いつもと違う新年、という気がします。本当に不甲斐ない一年だった、昨年 は、という思いがあるからです。岩崎前副議長(民放労連)が昨年の定期総会 で、「後世、人類の滅亡は1999年から始まったと評価されるかもしれな い」と挨拶しました。私は大げさだと思いません。国の進路を左右する一連の 法律が、十分な議論を経ないまま、数の暴力で次々に成立したからです。この 事態を憂えて徐京植さんが言っています。「日本で民主主義が死のうとしてい る。抵抗しながら殺されるのではない。安楽死しつつあるのだ。この軽佻浮薄 さがなおさら耐え難い」(『新しい普遍性へ』、影書房、99年)。 安楽死 という言葉に、内心忸怩たるものを感じます。
 確かに労働組合や民主勢力は反対運動を作り上げました。霞ヶ関の周辺だけ ではなく日本全国にそうした憤りの声が渦巻きました。しかし、結果的には殆 どの法律が強行突破されました。数の暴力、政治の腐敗と非難しても、それは 後の祭りです。私は闘ったか、出版労連は、そしてMICは闘ったか。それが “内心忸怩”の内容です。安楽死、抵抗して殺されるのではなく、みすみす死 んでいく日本の民主主義。私は悲しみ、そしてジワジワと怒りが湧いてきます。
 私は決意を新たにしました。今年は闘うぞ、抵抗するぞと。少なくとも、斜 に構えて評論して済ますのはやめようと。
 皆さんの健康を祈ります。



知恵を出し、汗をかき、声をあげて・・・

MIC事務局長 (新聞労連書記長)
鋤 柄  誠

 新聞労連と新聞産業の危機打開のために何ができるのか。何をやらなければ ならないのか。この半年間、夜も眠れない?ほど私は悩み続けた。 昨年7月 の定期大会で役員は書記長の私だけしか選出されなかった。その後、9月下旬 の中央委員会で北信越の福井労組から中川光夫副委員長が出てようやく二人体 制に。その間、関東地連選出の中央執行委員として出ている岳南朝日労組の片 岡伸行さんに半専従で教宣(機関紙)部長と争議弾圧対策部長を引き受けても らい、それでも毎日綱渡 りで活動している。
 中央執行委員会、中央委員会、大会に向けた議案書作りや、全国に11ある地連からの常任委員会出席などの要請に応えるには2.5人のスタッフでは厳し い。一刻も早く委員長の選出をはじめとしたスタッフの充実を願ってやまな い。
 とはいえ、冒頭の危機打開のために何もしないでボーッとしているわけにも いかない。今年度の運動の中心は @再販 A組織拡大 B報道評議会−− の3本。世紀末 の2000年に新聞労連が躍進できるように知恵を出し、汗を出し、声を出していきたい。
 初夢は21世紀の初頭に新聞労連が5万人になる夢を願っているが、実は新 聞が世の中から消え、新聞労連の解散大会が粛々と行われている夢だったりし たら、どうしようかと思っている。




グローバル化と MIC強化の課題

MIC副議長(全印総連委員長)
碓 井 邦 夫

 いよいよ20世紀もあと一年を残すのみとなった。100年単位の歴史を振 り返るには、もってこいの機会といえる。20世紀は戦争の世紀であったとと もに、それを教訓にして人類も技術も大きな進歩を遂げてきた。
 さて21世紀はどんな変化が訪れるのだろうか。誰にも予測できないと思 う。デジタル化がキーワードといわれる今日、5年前に誰が今を予測しただろ うか。軍事技術に端を発したインターネットが、次世代ではさらに高速・巨大 容量の情報通信を可能にし、本の90%は電子ブックになるという。
 何でそんなに急ぐのかと、戦前生まれの私は思うのだが、仮にその技術発展 があまねく貧富の差を解消し、紛争を解決し、公平な人類共存につながるので あれば、大いに歓迎したい。しかし、現実は逆行している。資金力のある企業 がますます富と組織を巨大化し、ついていけない中小零細企業は滅び行く運命 にある。印刷も近い将来に事業所数が3分の2に減少するという予測もある。 それもそのはず、次世代のインターネット2は、ブリタニカ百科事典の全巻を わずか一秒で通信可能にするといわれ、さらに激しい産業再編がペーパー・メ ディアのすべてを襲うからである。
 初夢にしては、いささか大きすぎる話だが、今世紀最後の一年で何とか大企 業有利のグローバル化に対抗し、第3次産業革命ともいわれる技術革新の激流 の中でも、人間らしい生き方のできる産業社会の実現をともにめざしたい。




MICへの期待

MIC副議長 (民放労連委員長)
柴 田 吉 彦

 ほんの数年前の私は、全てに疎い一組合員だった。当時は、ほとんど映画・ 演劇にしか関心がなかった。ましてMICなど知る由もない。その私が、昨年 の秋MIC副議長になるというのは、本当に不思議な「縁」であり、「めぐりあ わせ」である。
 まあ、考えてみればこの人の世は、皆この「縁」や「めぐりあわせ」で動いて いるとも言える。この一年間にも、また新たな「縁」があるだろう。それが、未 来への期待でもあり、楽しみでもある。
 さて、この一年だが、課題は多い。 世の中のすべての仕組みが変革の必要に迫られている、と言われている。労 働組合もまた然り。そして痛切に感じることは、今、直面している問題は、相 当多岐にわたり、かつ技術革新や社会構造の変化を伴っており、その裾野が非 常に大きい、ということだ。考え出すと深刻になり、ただ呆然とするばかりだ が、まあ思いつめずに自分でやれるところからやっていきたいと思っている。
 ひとつは、共通課題の「デジタル」問題。 あとは、賃金・雇用問題。せっかく八単産の代表といわれている人たちが集 まっている組織があるのだから、これを有効に活用しないと勿体ない。また、 皆の脳髄を少しは搾り出して、MICの活動が、前より社会に見えるような取 り組みができるよう、サポートに努めたい。




ある決意

MIC副議長 (映演共闘議長)
坂 本 哲 廣

 年の瀬も押し迫った12月28日、私たち松竹の組合幹部は団交の席にい た。大船撮影所の売却撤回と、人員削減(希望退職120名)案について、会社 代表に噛みついていたのである。組合専従7年目になるが、勿論こんな体験は はじめてである。議論は「売るな!」「売らざるを得ない」の平行線。松竹は要 求した資料も出さず、逃げの一手である。あまりにも理不尽な提案と不誠実な 回答は、団交の体をなさずラチがあかない。継続協議を通告し打ち切った。
 かくして99年は最悪の一年であった。映演共闘傘下の組合には、規模の違 いはあるものの、今リストラ・合理化の風が吹きぬけている。そしてこともあろうに、最大単組の松竹(私の当該労組)の足元で地雷が爆発した。
 そもそも松竹のドラスティックなリストラは、昨年の3月に勃発した。「風 とともに去りぬ」「ラストエンペラー」などの名作を配給した松竹富士の解散 である。撮影所売却、人員削減などを含め、一連の愚策は全て旧来の役員のズ サンな経営に起因する。そしていま、日本映画という文化を危機に陥れ、自らだけが生き残ろうとするもので、厚顔 無恥も甚だしい。
 先日、黒井和男氏(キネマ旬報社長)と話す機会があった。「今の両代表 じゃ松竹再建は無理だよ。第一、弁護士が映像本部、管理本部を兼任すること が間違いだ。松竹には評論家はいるが、実務者がいない」。何とも言い得て妙 である。新年早々物騒な話しだが、「組合員の首は守る。経営陣の首はとる。」
 その決意である。




コミュニケーションよ、こんにちは。

MIC副議長(広告労協議長)
徳 山 賢 二

【単産のこと】
 いよいよ2000年代の幕開けです。外資の進出やメディアのデジタル化に より、好むと好まざるとに関わらず、日本の広告業界はますます構造の変容を 余儀なくされます一方で、外的要因によって自分たちの職場や生活が翻弄され る事態は避けなければなりません。広告労協は広告各単組の委員長・書記長ク ラスとの直接対話を重視して、2000年を歩んでいきたいと思います。活発 なる活動の源泉は活発なるコミュニケーションの徹底であることを肝に銘じ て、広告労協がその為の有効な存在になることをめざします。
【MICのこと】
 なし崩し的に「産業政策委員会」の“座長”をやっていますが、あまり気張 らずにリラックスして任務を全うしようと考えております。一年間の活動の証 としてイベントや冊子などを形として残すことは目標ではありますが、義務化 しないようにと思っております。(メンバーのみなさん、そういうことで)
【自分のこと】
 界のスポーツゲームの最高峰を見て歩き廻りたい!です。スーパーボウ ル、アメリカズ・カップ、マスターズ、NBAファイナル、ザ・ダービー、 サッカーユーロ2000、ウインブルドン、ツール・ド・フランス、シド ニー・オリンピック、凱旋門賞…。
 以上を見て廻ると金がなくなる、職を失う。
 うーむ、どうしよう。




生音楽は心のビタミン

音楽家ユニオン
代表運営委員 崎元 譲

 2000年というといつもの年の始めと違って、新たな気持ちになるような 気がします。
 ここ数年、日本経済の景気は厳しい状況が続きました。景気は穏やかに回復し ているとい われますが、失業率と雇用状況はまだ厳しいものがあります。私たち音楽家は この影響を 最初に受け、回復は最後になるようです。
 私たち音楽家ユニオンの全国6000人は、広範囲の音楽分野で働らいてい ます。
 オーケストラでは財政の危機状況が深刻化して、楽団の合併や規模縮小が取 り沙汰されています。また、国・自治体などの財政再建案が出てくる中で、文 化予算の減少や企業からの寄付金などの削減により、イベントや文化団体への 助成などソフト面に大きな影響が出ています。フリーの音楽家はレコーディン グの機会が一部を除いて低迷して、仕事の減少傾向が続いています。デジタル 放送と多チャンネル時代を迎えようとしていますが、生演奏の機会の減少も予 想されています。
 しかし国民のなかには、私たちの生演奏を必要としています。毎年、音楽家 の春闘は、“3・19ミュージックの日”として全国的に展開しています。 「生音楽は心のビタミン」というスローガンで私たち音楽家の存在をアピールしています。今年は2000年ということで、例年より充実した闘いをしようと思っています。最後になりま したが、3年間のオールスタッフの争議が和解・勝利に終わったことをご報告 して、MICの皆様のご支援に感謝します。




最後の砦にならん

電算機関連労働組合協議会
議長 小 林 寛 志

 ノストラダムスの大予言は何とか回避できた1999年であったが、世相的 には世紀末的な様相がいたるところで露出した。  昔、「犬が噛み付ついてもニュースにならないが、人間が犬に噛み付けば ニュースになる」という話しをよく聞いたものである。しかし、生命を救うべ き医者が患者を殺し、犯罪者を捕まえる警官が自ら犯罪の限りを尽くし、消火 作業をすべき消防士が放火する。教育者たる教師が教え子を襲う。女子学生に セクハラした知事が検察の手が入るまで、平然と公職に居座り、赤字国債をば らまき、「私は世界一の借金王だ」と嘯く総理大臣。もはや、こんなのは日常 茶飯事となり、誰も驚かない。いずれ良識ある選挙民により鉄槌を食わされる ことだろう。しかし、看過できない「あってはならない事」もあった。働くも ののいのちと生活を守るべき「労働組合」が、企業と一緒になり企業を守るた め、同じ仲間を職場から追い出していく。たとえ西から太陽が昇っても、労働 組合が企業と結託してはならない。「労働者を守れない労働組合」こんな見出 しが新聞に載るようになってしまった。
 20世紀末の2000年を迎え、たとえ世の中が天地逆転しようが、「裏切 らない労働組合」それがMICである、と声を大にして言おう。



 

春闘でのとりくみが山場

 MIC・純中立労組懇談会・全労連で構成する労働委員会民主化対策会議 では、今年10月に改選予定の第26期の中労委労働者委員に磯崎弘幸さん (民放労連顧問)を推薦し、その実現に向けて運動を進めています。任命者は 内閣総理大臣で、所轄官庁は総理府と労働省です。
 5期10年にわたる連合独占任命に終止符を打たせ、磯崎さんの任命を実現 するために、MICとしても山場を迎える2000年春闘に全力を挙げてとり くみます。現在の状況は逆流を伴いながらも前進しています。99年4月、埼 玉地労委で埼玉労連候補の児玉さん任命されました。労働省は99年度から労 働組合の組織調査を改善し、全労連の組織実勢を反映する調査方式に改めまし た。(106万) こうした前進的な動きが続く一方で、現役の労働者委員で あった沖縄労連候補が排除されたのに続き、東京労連、愛知労連の候補が排除 されるという逆流も起きています。
 いま、全国で労働者委員のポストが267ある中で、「連合」以外の労働者 委員が活躍しているのはわずか5地労委の7名だけです。中労委での任命実現 こそが地労委の偏向をただす早道でもあります。
 MICの皆さんの春闘でのご協力を訴えます。
 @1万団体署名の超過達成(現在5、500)
 A学者・文化人・労働委員経験者などの賛同
 アピールのとりくみ
 B労働省をとりまく早朝宣伝(1月25日)
 C労働省への1万人要請行動(3月7日)
 D国会議員への要請行動(2月中旬予定)
 E民主化推進パンフの普及



 

柴田民放労連委員長、ILOシンポジウムに
MIC単産からもオブザーバー派遣

 2月28日から3月3日の間,IL0(国際労働機関、ジュネーブ)で 「マスコミ芸能産業における、情報通信技術:雇用、労働条件労使関係への影 響」会議が開催される。民放労連では、柴田委員長を派遣することを決めた。 他の単産でもオブザーバー派遣を検討している。(詳細次号)




 




 12月18日(土)、全水道会館でMIC2000年春闘討論集会が開催さ れた。昨年同様今年も泊まり込みではなく、一日開催となった。今井議長の 「2000年春闘はこれまでの単産自決ではなく、何としてもMIC総掛かり の春闘にするための努力と、多発する争議を全体の力で解決させよう」との挨 拶で開会。午前中は各単産から年末闘争と来春闘の構想を報告を受け、午後は 水口洋介弁護士の講演「労働力安売り時代ー企業競争に抗してー」と討論。最 後に戸塚元都労委委員から「磯崎候補を中労委委員に」との特別報告と、磯崎 さん本人の決意表明を受けて閉会した。単産報告の要旨のみ。 (文責:事務 局)

●新聞労連 ―――

 4年ぶりに前期比実績割れをくいとめることができた。これはスト権を立て て組合が粘り強く闘った結果だが、依然会社ペースでの低額傾向は続いてい る。春闘は昨年来の年間収入ベースでの底上げをめざし「35歳モデルで69 4万円(大卒、従業員3千人以上)」を標準にして、賃上げ要求は35歳2万 9千円とする。課題としては、報道評議会の設置、組織拡大、特殊指定と再販 の維持、21世紀を女性の輝く年にするために、知恵と汗と声を出してがんば りたい。2000年は労連結成50周年にあたり、冊子を作成する。

●全印総連 ―――

 年末闘争は昨年の前年比7万円のダウンに終わったが、運動面では前進を勝 ち取った。 単価が低い、仕事がない状況の中、印刷の業者団体と一緒に都との交渉行った り、出版労連との共同シンポを開催し、大きな共闘の下地をつくった。また、 組織拡大の目標を達成した。春闘では学習活動の強化と最低賃金闘争を重視す る。正社員が横ばいなのに、不安定雇用者がさらに増えた。個別企業にも最賃 要求を提出し、賃上げ回答の前に最賃の回答を求める2段階方式でたたかう。

●民放労連 ―――

 年末闘争は史上最低の伸び率で、同一年令比マイナス1.7%に終わった。 特に大阪・名古屋の準キイ局での落ち込みが目立つ。「ソフト作りの現場に光 をあてる2000年 春闘」をスローガンにたたかう。デジタル化の中で、制作費の削減によるしわ 寄せが集中する放送関連労働者の賃金・労働条件の抜本的向上をめざす。99 年は3分の一がベアゼロに抑えられたので、一律2万円の賃上げ要求、半年収 20万円以上で民放労働者にふさわしい賃金を獲得する。MIC各単産との交 流を深める春闘にしたい。

●出版労連 ―――

 まだ未回答・未妥結があるが、数年ぶりに前年割れを突破できそうだ。ま た、介護保険料の料率負担割合の要求でも前進があった。 しかし率直に言って、秋季・年末闘争のなかで、2000年春闘にむけて展望 が開けたかといえば、(個人的ながら)そうはいえない、との感想を持ってい る。「組合の力量低下」が言われるなか、もう一度原点に戻って「基礎から学 び直す学習活動」を考えている。
 教科書闘争も重要な課題だ。相手側はサンケイ新聞などを使って、大々的に 宣伝し、自治体向けの草の根の運動を拡大している。われわれもMICや国民 春闘共闘との共闘強化を通じて、諸課題の実現をめざしたい。

●映演共闘 ―――

 年末闘争は前年よりはダウンしているところが多いが、ダウンの巾は小さく それなりに善戦したのではないか。春闘は幹事会での討議もこれからだ。来春 闘は合理化にどう対処するか、が中心になるだろう。
 松竹は、12月17日、大船撮影所用地の売買契約を鎌倉女子大学と交わし た。これは労使の事前協議をも無視する明らかな不当労働行為であり、反対運 動を強める決意である。すでに2万を越える個人や団体署名が寄せられてお り、96人の俳優・監督・映画スタッフの支援と激励のメッセージもいただい た。1月20日の夜、ここ全水道会館で大船撮影所をなくすな!「撮影所の意 義を問い直すシンポ」を予定している。

●広告労協 ―――

 98年に続いて99年の年末もマイナスに終わった。組合の求心力が弱く なったとだけでは片付けられない、組合員は冷めた意識を持って、会社が大変 との言い分に納得さえしている、との感想を持っている。もう一つの特徴は、 MIC各単産に比して「成果主義」の賃金体系が殆どの大手企業に導入されて いることだ。これは広告の各組合が、従来の年功賃金体系よりは総賃金の抑制 を前提としている査定巾をも容認する「新人事制度」を是としている結果であ る。単産としては全てを良しとする訳ではなく、「新人事制度」の運用や チェックリストをつくるなどの問題を提起している。来春闘を前に「経営情報 の公開」の取り組みを各組合が出来るよう努力したい。

●音楽家ユニオン ―――

 ユニオンの中で一時金があるのは、オーケストラのメンバーだけだが、その 数はユニオンの4分の1で、4分の3はフリーランサーで一時金はない。スポ ンサーも人数規模も違うので、金額も年間でゼロから6ヶ月までの差がある。 特に自治体が赤字再建団体になっているところなどはカットなど非常に厳しく なっている。春闘は、NHK、民放キイ局、レコード協会に時給アップ(40 0円〜1000円)の交渉をする。現在の時間給が18000円〜19000 円というのは、高額のようだが、楽器代など全て自分もちで大変だ。
 最後に、「オールスタッフ」の争議が12月14日に東京地裁で和解が成立 した。MICの皆さんの支援にお礼を申しあげたい。

●電 算 労 ―――
 昨年末は比較的好況だったが、今年の年末は2.76にダウンした。コン ピュータ業界はバブル崩壊後一たん景気は回復したが、また不景気に戻り厳し い状況だ。客先常駐も増え、派遣法の改定もあって労働市場の流動化は更に進 行している。10月の総会でも報告したが、企業組合「スタッフフォーラム」 を設立して、派遣労働者の組織化と全体の労働条件向上をめざしている。最近 は年令制限による中高年差別がひどい。能力や技術に関係なく、年令は30代 半ばまで、といわれる。
 アメリカでは年令による差別禁止の法律がある、と聞いている。日本でもそ うした法律をつくることを考えるべきと思う。
 春闘は全くこれからだが、昨年からはじめた「インターネットによるアン ケート」は、労働者の意見を反映させるのに有効だと思う。