2002年1月25日(金)に全労連会館ホールにて表記の集会が開かれた。
 最初に国分労働委員会民主化対策会議・事務局長より民主化対策会議三団体(全労連・純中立労組懇・MIC)の運動と、今後の大量宣伝ビラ、団体署名、弁護士・学者・文化人など多数の方の応援団を組織、国会対策などを進めていきたいとの運動方針提起で始まった。
 主催者挨拶で、坂内全労連・事務局長は、「桜の花が咲く頃に、小泉内閣が消え、秋口には我々が推薦する中労委労働者委員候補者が任命される、という初夢をみた。」
 中沢純中立労組懇・全農協労連委員長は、「純中立労組懇は、長い間、労働者委員をナショナルセンターだけで独占することに反対してきた。今回の今井候補に関しては、『アク』と『押し』が強く、『労働法」にも強い。そして何よりも、民間単産の実情をよく知っておられる方で、純中立労組懇としても責任を持って薦められる。」
 池田MIC・新聞労連副委員長は、「政治・行政部門の新聞記者をやっていたが、よく労働委員会の問題が話題になっていた。やはり、労働委員会が連合系に偏っているのではないかと。本来ならば、いい制度であるべき労働委員会が、偏りの運用があることで、本当の役割を果たしていないのではないかと、感じていた。」と述べた。
 続いて、候補者の決意表明として今井さん(中労委民間担当労働者委員候補者)より三つの決意として、「まず第一にMICを始め、純中立労組懇、全労連を併せて35件の中労委に係争している事件があります。これを、非常に多数と感じて、できれば身近な不当労働行為なり争議を解決するためになんとしてもお役に立ちたいと固く決意している。第二に長野の工藤さん任命に関して連合長野が田中知事に抗議をしたという件で、その話を聞いてこういった発想に対して胸が悪くなり、ぜひとも中労委の労働者委員となりたいとつくづく思った。第三に藤田さんとは、古いつきあいですが、いつもゆっくりとお酒が飲めないのでこれからは時々藤田さんと二人でおおっぴらにお酒を飲みながら秘策を練る機会ができることを、うれしく且つ光栄に思っている。」
 また、藤田さん(中労委国営・特定独立行政法人担当労働者委員候補者)は、「最近地方へ行って若い人たちに『たかが100年、されど100年』という話をしている。我が国に労働組合ができて100年あまりですが、できた頃の労働者は大変過酷な状況におかれていた。それに比べると、今は少なくとも憲法があるし、欠陥はあるが労働法制がある。しかし変わらないのが資本のあくどさだ。より狡猾になっている。そういう風に考えると100年もたっているのに何も変わっていない。100年たった今、次のステップに我が国の労働運動を乗せなければいけない。中労委の民主的な任命を勝ちとるたたかいというものは、そういった歴史の流れの中でとらえるべき戦いである」と決意を述べた。
 長野県の工藤きみ子さん他、各地の地労委委員から連帯の挨拶を受けた後、出身単産の国公労連の堀口委員長より「独立行政法人で働く仲間達の要求と運動を前進させるため、また今進められている公務員制度改革反対との観点で、今井さん藤田さんの公正任命を目指し全力で努力する。」また出版労連の岩波書記長からは、「国民春闘共闘の中で、今井さん提唱の全国民的ストライキが、やっと3年越しで実現されそうです。3年かかっても主義主張を通す今井さんの活躍を中労委の場でも期待したい」と決意表明をした。最後に民主化対策会議の西川議長の音頭で、団結ガンバローで終わった。
 

 
 

    
 MIC女性連絡会・出版労連女性会議社会対策部共催の春の勉強会「春を呼ぶ学習会!〜育児・介護改正法の勉強をして春闘にいかそう〜」が2月22日、東京・御茶ノ水の出版労連で開催され、各単産から50名が参加しました。講師に今野久子弁護士をお招きして、働く女性・男性の現状と課題、及び4月から実施の育児・介護改正法のポイントについて講演して頂きました。
 働く女性と男性の現状と課題として、出版もMIC関連も同じだと思うが雇用条件が悪くなっている。最初からリストラありき。解雇、リストラが生活費の負担が重くなる中高年に集中している。パート、派遣、契約、アルバイト、臨時スタッフなど非正規で働く人が増えている。女性の場合は40%を超えていて、2人に一人が非正規雇用。今まではパートは補助的な仕事だったが今は基幹的な業務に非正規労働者が従事するようになってきた。正社員が楽になったわけはなく、パートと比較され今まで一般職として正規雇用で雇われていたのに、「パートでもできるじゃないか」と考えられて正社員を増やさずにパートを増やすことになる。派遣も今は原則自由で職種を問わない。派遣法の改定がなされてから25%も派遣会社の数が増え、女性だけに限られたことではないが、女性の非正規化が早く進み、貧富の差が出ている。
 また、古くて新しい問題だが「妊娠した・出産した」などの女性に攻撃が向いている。事例として子供を初めて妊娠した総合職の人に、「子供生んだ後だと残業はできないだろう」というようなことを言って辞めさせていく。法律上育児休業は認めざるを得ないので、育児休業が終わってからやめたらどうかという提案。こういう場合は「今、辞めるなんて約束しないで、出産後交渉しましょう」ともちかけるようアドバイスがあった。
 育児・介護改正法のポイントの解説もあった。変更点に注意しなければならない。
1. 育児・介護休取得者を「解雇してはいけない」から「不利益な取り扱いをしてはいけない」
2. 「育児や介護を行う女性について激変緩和措置がとられていた」が今年4月からは「就学前の子供をもつ男女労働者は本人が申し出た場合(請求すれば)「一ヶ月24時間、年間150時間以上は免除」、
3. 労働者が請求すれば一日の労働時間短縮などを請求できる子の年齢が「1歳未満」から「3歳まで」に。また努力義務が3歳以上小学校就学前までに引き上げに、
4. 「子供の看護休暇」について今までは何の規定もなかったのが「努力義務」に変わった、
5. 「職業家庭両立推進者を事業主が選任するという努力義務」などが主な改正点だ。
他にも指摘があった。
 95年日本はILO165号条約(家庭的責任を負うという条約)を批准。この条約では「転勤にあたっては配偶者の仕事を考慮しなければならない」という文言がついている。しかし、育・介法では今回の改正でやっと盛り込まれた。残業時間では、家庭的責任のある労働者から申し出があった場合、残業時間の上限があるがこの上限は週40時間、1日8時間労働を前提に起算しているので、週35時間労働の場合は、年間5時間×52週=260時間になるので要注意だ。実は結構緩い制度なのだ。今回の改正法でも満足はいかないが、前進は前進。育休取得時の合計保証も20%から40%に変わった。努力義務というものは、社に要求して協定・規定を変えさせていかなければならない。何歳から何歳までと変わっているものはちゃんと要求して制度や協定を変えていかなければ法改正の恩恵は受けられない、と「何事も運動によって前進していくのだ」と力を込めた。
 最後に、「労働時間を月間でカウントすべきではない。子育てや家庭の責任は一日をサイクルに動いている。子供は寝だめとか食いだめなんかできない。それを子供にも教えていきながら子育てをしていく。だから一日単位で請求していかなければならない。これから求められる働き方は男女共に子供を育てながら仕事をしていくという社会。それが21世紀のめざす働き方だと思う」と締めくくった。
 

 
 

 
廣川書店の解雇争議が和解で終結
 土屋さんが、99年7月30日に、長野分室の閉鎖を理由に解雇されてから2年半の闘いを経て、去る1月28日に、東京地裁において、和解という形で争議が解決しました。
  残念ながら、当初からの目標であった職場復帰は実現できませんでしたが、土屋さん自身はこの争議を通して、支援の力を実感し、多くの仲間と知り合えたこと、そして今後の人生にとって貴重なものを学んだことを心から喜んでいるとともに、私たち廣川労組としても、この2年半の中で、職場の仲間を守ることの大切さを実感しました。
 これまでのご支援、ご理解に対してあらためて御礼を申し上げます。
(出版労連廣川書店労組)


出版労連角川争議
大筋で和解成立の方向へ
 1999年3月31日、一方的な角川文化振興財団編纂室の閉鎖と14名の全員解雇に端を発した角川争議は、昨年6月から東京地方裁判所(民事19部吉崎裁判官)で和解交渉を重ねてきましたが、2月20日の第12回和解交渉で原告組合側と、被告角川書店・角川財団側双方が、裁判所による職権和解案を受け入れる旨裁判所に回答しました。これをうけて復職者の労働条件をめぐって22日に自主交渉、25日に第14回和解交渉がもたれ、まだ調整部分を残していますが、大筋では和解が成立する方向へ前進しました。
 和解の内容は、@99年3月31日付けの原告7名に対する解雇を撤回し、同日付けをもって会社都合の退職とする。A復職を要求した原告3名中2名について、解雇時の労働条件を下回らない条件で原職相当職の雇用を保障する(俵谷氏=飛鳥企画、鈴木氏=角川財団)。B原告7名に対して相当額の解決金を支払う。そのうえで、本件紛争を本和解によって解決するに至ったことに照らし、今後正常な労使関係を構築することを確認するというものです。
 本解雇は、角川書店の株式上場を口実とした、解雇の必要性の全くない利潤追求のための不当なリストラ解雇でした。国を挙げてのリストラ「合理化」がはびこる時代に、仮処分の不当な決定を跳ね返し、法人格の違いを理由に責任回避を続ける角川書店を裁判所での和解交渉のテーブルにつかせたうえで、子会社の労働者の雇用を2名も原職に復帰させた運動の成果は大きいものがあります。詳細につきましては正式な和解調印後に、共闘会議の総括と併せてご報告いたします。この間MIC総行動をはじめ、物心両面にわたるさまざまなご支援をいただき、本当にありがとうございました。
 まだ調印まで予断を許しませんが、とりあえず和解成立の方向へ大きく前進したことをご報告をいたします。
(角川争議支援共闘会議)