特別決議

メディア規制法案に反対し、言論・報道・出版・表現の自由、国民の知る権利を守ろう。

 私たち、日本マスコミ文化情報労組会議は、これまで多くの市民と共にメディア規制反対の運動を進め、「個人情報保護法案」を二度にわたり継続審議とすることができた。しかし政府は同法案を今国会で成立させるとの意向を表明しており、いよいよ審議が始まろうとしている。また自民党議員により「青少年有害社会環境対策基本法案」の提出が予定され、「人権擁護法案」も閣議決定され参議院提案されるなど法制化が日程に上りつつある。まさに〈メディア規制三点セット〉が法制化されようとしている。
 これらの法案は、「個人の情報を保護する」「青少年を有害情報から守る」「人権侵害の調停を行う」など、一見すると市民生活に必要であるかのような印象を与える。しかしその内実は、公権力への規制が弱く、逆に民間、とくにメディア産業への規制・監視を強化するものである。そして、新聞、出版、映画、ビデオ、インターネットなど、あらゆるメディアを官庁の監視下に置こうとし、市民一人一人の表現活動まで規制しようとしている。まさに憲法第二一条に保障されている「表現の自由」を脅かすものであり、これを看過することはできない。
 また昨二〇〇一年に成立した自衛隊法改正により「防衛秘密」の保護が強化されたが、さらに政府は電波規制・報道規制を含む有事法制を準備している。〈メディア規制三点セット〉の背後にこの有事法制があることに注目し、これについても反対の意思を表明しなければならない。
 言論・報道・出版・表現の自由は民主主義社会を成立させる基本原則であり、同時にマスコミ・文化・情報産業の基盤である。さらに私たちの仕事は国民の知る権利に答えるという責務を負っている。私たちはこれらの産業に働くものとして、また一市民として、メディア規制法案に反対し、直ちに廃案を求める。そして、多くの働く仲間、市民と連携し、「メディア規制法案反対、言論・報道・出版・表現の自由、国民の知る権利を守る」運動をいっそう強めることを明らかにするものである。
右、決議する。

2002年3月6日
日本マスコミ文化情報労組会議 2002年春闘決起集会