平和と民主主義、言論・表現の自由のためたたかおう!

 小泉首相が自民党総裁に再選された。国民の中にまだ根強い「小泉改革」への期待を背景に、総選挙へ向けての体勢作りであるが、同時に新しい党人事と改造内閣の特徴は、小泉政権がこれまで推し進めてきた「構造改革」路線や有事法制制定・イラク戦争などをめぐる対米追随の路線を一層強化するとともに、教育基本法改悪、さらに憲法改悪への布石を敷くものである。

 ブッシュ政権のイラクに対する攻撃の企てに反対する運動は世界中でかつてない大きな規模で繰り広げられた。この世論を無視してイラク攻撃を強行した際の「戦争の大義」は、大量破壊兵器が発見されず、情報操作などの実態が明らかになり、アメリカ・イギリスでの世論の支持も崩れつつある。
 日本でもイラク攻撃反対の運動が広がったが、小泉政権はブッシュ政権への支持をいち早く表明し、先の通常国会では「イラク特別措置法」を強引に成立させ、憲法九条に明確に違反する自衛隊を派遣する機会をねらっている。
 日本弁護士連合会、陸海空港湾20労組などをはじめ、広範な反対運動が繰り広げられた有事関連三法については、あらたに有事法制担当相が設けられ、国民統制のための「国民保護法制」の整備を促進する体制がしかれている。
 日本国憲法改悪の策謀が続く中、教育基本法は憲法の理念を教育の部面で具体化するものとして、改憲勢力の攻撃の的になってきたが、中教審から改悪案が答申されており、遠からず国会に上程されると見られる。文部科学相には、国会で教育勅語を賛美し、教育基本法改悪に意欲を示してきた河村建夫前副大臣が起用された。
 また、先の国会で成立した個人情報保護法に続き、自民党はメディア・表現規制3法案の一つ「青少年有害社会環境対策基本法案」を二つに分けた「青少年健全育成基本法案」「有害社会環境適正化自主規制法案」を秋の臨時国会に提出することを決めている。
 これらを貫くものとして改憲への動きも活発化している。改憲論者の論点は多岐にわたっているが、その焦点は、憲法九条である。憲法を蹂躙して、一連の海外派兵法が強行され、自衛隊派兵が拡大されてきたが、イラクへの派兵をめぐって政府による従来の解釈改憲が限界にきていることが明らかになっている。明文改憲の策謀の最大の要因はここにある。

 MICは平和と民主主義、言論表現の自由のためたたかってきている。03年春闘のスローガンには「平和と正義のために」をかかげた。この基調を引き続き継続し、イラクへの自衛隊派兵を許さず、有事法制の具体化を阻止すること、教育基本法改悪や表現・メディア規制に反対する取り組みを最重点課題とするものである。
 あわせて、イラク戦争などをめぐって、メディアが事実の検証にもとづいて、読者・視聴者が求める真実の報道を行っているかが問われている現在、メディアのあり方についても声をあげていく。

 右、決議する。

2003年9月27日
日本マスコミ文化情報労組会議
第42回定期総会