新国立劇場合唱団員・八重樫節子さんの争議を支援する特別決議

 新国立劇場合唱団のメンバーとして、1988年の開場以来2003年7月まで、5シーズンにわたりソプラノの一員として活躍してきた八重樫節子さんは、2003年以降の契約打ち切りを通告され、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てると共に、2005年3月には、東京地方裁判所に地位確認等請求の訴訟を起こし闘ってきた。
 新国立劇場合唱団を運営する新国立劇場運営財団は、労働者性を認めない契約形態と、視聴会と称する一方的選別システムにより、労働条件を抑えメンバーを使い捨てる運営を続けると共に、音楽ユニオンの団体交渉申し入れを拒否してきたが、2005年6月には東京都労働委員会より、「音楽ユニオン会員八重樫節子と新国立劇場運営財団が雇用関係にないとの理由で、団体交渉申し入れを拒否してはならない」という命令を受けた。
 にもかかわらず、新国立劇場運営財団は、その後も合唱団員の労働者性を否定し、団体交渉を拒否し続け、現在、中央労働委員会に再審査を申し立てている。
 この争議は、「契約」を楯に音楽家を使い捨てる新国立劇場運営財団という公的機関の横暴をとうものであるが、「改革路線」のもとに再び経済偏重がすすみ、文化政策の交代が懸念される中で、すべての音楽家の社会的経済的地位の向上及び労働者としての権利確立と共に、文化に関わる国の基本姿勢が問われる重大な事件であることを確認し、ここに支援を決議する。

2005年10月8日
日本マスコミ文化情報労組会議
第44回定期総会